第10章 末裔の貝殻は開くのか?
ベンチに座った時、太ももに乗ってきた猫とか最高だったなぁ。プニプニの肉球と暖かい毛玉ちゃん。最近私のふとももに乗っけたのは同じくふわさら毛並みの白ポメもどき、悟の頭くらいだった。
ベッドに座っての膝枕。そういう状況になるって事は甘えているという事なので可愛いモードだから癒やし効果に変わらない気もするけれど。
今日の新しい思い出をふわふわと噛み締めながら、私が冷蔵庫に食料品を詰め込み始めると、袋から今度は洗剤などの消耗品を取り出し、悟はキッチン関係をせっせとしまい始める。
そして洗濯用品や浴室用洗剤を胸に抱え始めた。
「これとか置いてくるついでにお風呂洗っとくよ~!」
『さんきゅー悟』
「オウイエー!」
……残された買い物袋を覗くと、悟が薬局で買ってきた2箱のアレ。悟はお風呂場方面に行ったのを確認してその2箱をじっと見る。薄さを強調するパッケージ……。
そんなに使うか……?今まででも連日というのは疲れるから頑張っても3日連続はあった。
昨日の夜した時もまだ在庫はあったハズ。まあ、無いよりはあった方が良いのだけれど……、と袋を覗くのをやめ悟がこっちに戻ってくるまで部屋干ししていたタオルを畳んでいようと何枚か畳んでいた時だった。
浴室の掃除を終わらせた悟が片手を上げてはしゃいで戻ってくる。
「おっ待たせー!お湯入れればいつでもお風呂入れるけれど…ハルカ、これで今日のデートは終わりだと思った?」
『へ?なんか他にもあんの?薬局で買ってたモノ使うのはデートとは呼べ無さそうですけれど』
スンッ…と一瞬真顔になった悟はにぱっ!と元気よく黒い布の袋を取り出す。何か借りてきたみたいだ。
「……ベッドのセクシャルホッケーは後でするとして。
部屋でも映画鑑賞、するでしょ?」
『どれだけエアホッケーの負けを引きずってんの。
なんかこそこそしてるなって思ったらDVD借りてたんだね。何観るの?今日見たやつの前作とか?』
映画のお供にコーラとポテチはあったかな?と戸棚を見た私の耳に届いた言葉で悟を凄い勢いで振り返った。
「ソーセージパーテイー」
『は』