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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第10章 末裔の貝殻は開くのか?


84.

各エリアを回っていき、結構楽しんでいる私達は5人揃って行動をしていた。
今は牧場エリア。木柵に5人揃ってしがみつきすぐ近くをのんびりと歩いていたロバを見つめていた。静かな牧場エリアにまるで学校遠足のやんちゃ坊主のようにはしゃぐ大人が私の隣にいる。

「あ、鳴きそうだよ!?ほら悠仁に野薔薇よそ見しないで見てご覧よ、今にロバが鳴くから!凄いんだよっ!?馬みたいに見えてヒヒーン!とかブルル!だと思ったら大違いなのっ!フヒフヒ言うのっ!あっすっげえネタバレしちゃったね、今の忘れて!」
「ロバよりも先に五条先生が鳴いてるんですけど」
『悟がひとり騒いでどうする!』

この中じゃ伏黒が精神年齢大人な気がするなあ、と悟の指差す先……その注目の的のロバがぴた、と動きを止める。しょぼしょぼとしたつぶらな瞳。鼻を広げ、唇をくいっと上げた。

"フゥゥー…ン、ヒホッヒホッ……ヴーヒッヒッフーヒッ…ヒゥゥ…ン"

奇妙な鳴き声を発したロバに、さっきの悟のネタバレを思い出す。フヒフヒ…!確かにそんな感じ、だけどあまりにも予想外。

「想像と違った!」
『ロバ、なんて情けない鳴き声なんだ…』
「あっちで小動物コーナーがあるそうよ!行くわよ!」
「モルモットも触れるって!リアルモルカー!」

別にふたりじゃなくたってこれはこれで充分に楽しいとしっかり楽しんでいるけれど。確かに悟の事だからこういうのもアリとも思えるけど、悟にしては冒険してる感がする。皆連れてきてるし…あと糖分控えめだし。
そんなちょっとだけ怪しいって思っていた考えも様々なふれあいでゆっくりと消え去っていく。
呪いではなく、暖かな毛玉達との触れ合いが癒やしてくれるよねぇ……。ふわっふわの白うさぎを抱っこして撫でて、人参やキャベツをあげたりして癒やされて。
馬に乗ったり、ラクダに乗ったり、いろんな味のソフトクリームを皆でシェアしたりしたけれど。

何故、ふたりきりだけじゃなくて虎杖達を誘ったのかが発覚した。
きっかけは伏黒。立ち止まった彼がスタッフオンリーのドアをじっと見てる。

「……なんか居ますね、てか漏れ出してるんですけど」
「うん。居るよ?だからここチョイスしたんだもん」
『は?』
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