第10章 末裔の貝殻は開くのか?
それをはっきり言ってしまったら気分は良くないだろうなぁ。
携帯をポケットにしまう動作を見て変わらずに気だるく、口を時計回りに回転させつつ笹を食うパンダを見る。
……そもそもデート時に、さっきのは一時的な元カレです!だとか言うのはどうよ?機嫌は良くはならないでしょうし放っておいてもあの先輩は私を思い出したりしてないから、今は無害であって。
パンダから少し疑っている悟に顔を向けて、私は高校の時の先輩とだけ伝えた。
悟は納得してる様には見えないけれど、ふーん、とだけ答えて切り替えるようにパンダを見てはしゃぐ。
何枚パンダの写真撮ったかな?とフォルダを覗いた。5、6…8枚、8枚撮ってる。その前の写真にさっき撮った画像が出てきた。
「ほーんと、中におっさん入ってるみたいな動きしてるわねー」
「スタッフ入ってる可能性もあるかもな」
『はは…っ、』
目の前の光景を見つつも、携帯の画面を見ると少しばかりぎこちない笑顔を浮かべた私が映っていた。