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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第10章 末裔の貝殻は開くのか?


83.

洗面台で左右に首をゆっくりと振って自分の顔を覗き込む。
そして鏡に映る自分の服を手で伸ばし、しっかりと身支度を整える。
今日は休み。そして悟との約束のデートで事前に告げたカウントとしては1回目のデート。
今日行く場所は一体どこなんだろう?僕に任せて!なんて悟は言っていて、あまり踵の尖ったのは止めてね?とも言ってた。
ヒントが少ない。でもそんなだからこそ、今から行く場所が想像着かなくて、わくわくとしながらバッグの中の確認や鏡に映る自分の最終調整を行っていく。

『……よし!』

玄関から出て、外で待ってた悟が片手を上げる。
それに応える様に私も片手を上げて、鍵を掛けた。久しぶりって事なんじゃない、朝別々の部屋へと別れたっきりだからさっきぶりだし。

「今日もハルカは可愛いねー!食べてやろうか?がおー!っなーんてっ!」

デート仕様にカジュアルな服の悟は両手で獣のようなポーズをしてふざけている。
ちょっとだけ仰け反りつつ片手で悟を制止した。

『悟も今日もキマってるね。あ、私は食べない様に自分で口輪をしといて』
「えー?……はい、手」

私の手にそっと伸ばされた手は私は指に絡めれて握られる。そのままに歩き始めて…。
握られた手を見てふっ、と笑った悟は顔を上げて私に不服だという表情を見せた。

「口輪は自分からしたくないなー!ハルカがして?唇で塞いでくれると…イイんだけど?」
『あのー?悟ってか"五条先生"?回り見えてます?』

流石に気付いてるしもはやわざとだろ、と突き刺さるような視線ふたつの方向を見て、繋がった手の主を見上げる。
せっかく繋いだ手ではあるけれど抜き取ろうとした瞬間にぎゅっと悟の指が私の指を締め付ける。わざとやってる、この人!

「んー?どうしたの?あと9回デートしたらもれなく僕のお嫁さんになるハルカちゃん?」
「ンッフ!……ブハッ!ウヴンッ、あー、俺釘崎呼んでくるわ!」

休日を通路で男ふたりたむろっていた虎杖と伏黒。普段は制服姿で見ることが多くても流石に休日は私服。こんな所にいるっていうとどこかに一緒に出掛けるのかもしれない。
悟の発言に吹きかけた虎杖が腹を抱えてクスクス笑いながら、電光石火の勢いで釘崎を召喚しに行ってしまった。
残された伏黒は昨日と同じく呆れた顔をしてる。
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