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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第10章 末裔の貝殻は開くのか?


現当主とか知らんうちになってたの?とびっくりして口を開けて悟を見ていればウインクをばちこん!とされた。違う、そういうサービスを今求めている訳じゃないんだ、私は。
その春日家の現当主が私である事、そしてその春日の本家は五条家に属しているという事…。その悟の言葉にまた回りの先祖たちはよりざわついている。式髪も伸びてきたり振り下ろされる頻度が出てきても、攻撃が来ようとも悟の術や母の術で手出しすることが出来ていない。

"娘の大事な人の話だ、古い人間は黙って聞いてな!"

母の制止するように突き出した腕からの式髪が先祖達の攻撃を相殺する。ばちん、と。
勇ましいその母の姿を初めて知り、生前と死後のギャップに頭を抱えた。いや、母に違いはないけれど。白髪でも元気に振る舞う優しくて格好良い私の母は死んでも変わっちゃいない。
そんな母を見つめる私の耳元で悟は声を潜める事なく…というか耳打ちじゃないんだけれど母への感想を私に向けた。

「キミの母さんってまるでラピュタに出てくるドーラみたいだねっ!」
『良くもまあ本人の前で大声で言えるよ……』

にこにことした悟はそうふざけた後に母を見る。うーん、と唸る母は私を見て、肩を落とした。

"ハルカはどうなの?こういう人で良いって思えるの?"

そう聞かれて私は悟に引き寄せられたままじっと悟を見た。
その流れで顔を近付けてくるものだから、その唇に手を当てて私は首を振る。流石に、この場でキスするのは恥ずかしい。隠されていないスカイブルーはじっと私を見ている。その熱視線に私はじわじわを顔が熱くなってきた。

「なにさ、そう見られたらちゅーしてって言ってるようなモンじゃん」
『そうとは言ってないっ!』

そんな様子を見ていた母は腹を抱えて大笑いしていた。

"聞くまでもなかったね!まあ、女系の多い家庭からの許嫁を貰うとかそんな春日の馬鹿みたいな制度じゃなくて、私と父ちゃんみたいに自分で好きになった相手で、ハルカが幸せならば良いんじゃないの?
……うちの子を早死にさせないように、五条悟君。早死にさせたら私が五条を呪うから"

私がいつまでも退けない手を悟は毟り取り、ははっ!と自信たっぷりに笑った。
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