第10章 末裔の貝殻は開くのか？

なんでこんな美味しいものを錬成出来るんだ、悟は。
うちにカルボナーラのレトルトとか備蓄は無かったぞ。この人あるもので作ったのか…？と文明人を見る目で悟を見ながらもぐもぐと咀嚼をする。
悟はふふん！と得意げに笑っていた。

｢これくらい任せなさい！対価に一発させてくれたらフルーチェも追加に作っちゃう！｣
『さり気なく抱こうとしない、フルーチェくらい子供でも出来るわ』

あの元になるレトルトパウチと牛乳で材料が揃うもの。
ただでっかいボウルは必要になるし、消費する人数も不可欠だけど。
私が言った言葉はどうやら、性欲に脳内の多くが振り切られている悟には別物に聞こえてしまったようで目を丸くしてる。

｢え？さり気なくフェラチオ？子供が出来ちゃう？どんなプレイを望んでるのキミは？｣
『フ・ル・ウ・チェ！どんな耳してんだよ…』
｢フルチン？キミ飢えてる？｣
『どっちが!?』

下ネタ言いやがった…。
家庭内での大量のフルーチェでちょっと泣きを見るけれど、甘い物好きな悟には飲み物みたいなものなんだろうなー…。
悟は悔しそうにパスタを口に突っ込み、頬をリスの様に膨らませて食べている。

｢あー！ちんちんがイライラする！｣
『人はそれを勃起って言うんじゃないの…？』

釣られて私もモロに言っちゃったか、と思ったけれど悟はそこに突っ込む事は無くフォークをカラン！と置いて両手を合わせて悲願する。

｢ヤらせて！先っちょだけ差し込むだけだから！小刻みにピストンさせるくらいで満足しとくから！お願い！我慢出来そうにないんだけれど！｣
『ウソつけ！完全に奥まで入れる気でしょ！というか物食べながら喋るんじゃありません！』
｢ママかよ！……いや、違うな…、うん……俺がハルカをママにさせてやろうか？｣

咀嚼を終えた悟はキメ顔で私に迫る、
マリネをフォークですくう様に空中で制止させた私は悟をじとーっと見た。

『──私、卒業後って言ったよね？というかそもそも卒業後と言い出したのは悟なんだけれどねー？』
｢……ちぇー、｣

下なお話は止まり、食事は進められていく。
あっという間に平らげた後は、私が食器等を片付ける事にした。悟はその間に掃除機を掛けている。