第10章 末裔の貝殻は開くのか?
『家入さんお世話になりました』
「元気になったのなら良いよ、部屋でしっかりご飯食べてきな」
クスクス笑っていたけれどほぼ丸一日寝てたならと事情も分かってるし、前にも似たような事もあったから理解がある。
私ははい、と返事をするとちょっと首を伸ばして私の視界で主張する…、私が食欲で頭が支配されているなら、彼は性欲に支配されているその悟が口を開いた。
「なに?ハルカ部屋戻るの?」
『戻るけれど悟は来ないでね、目的が見えすぎてる。教師なんだから教室に行ってなー。
では家入さん私部屋戻りますね』
ん、と手を振る家入を見て私が個室から出てドアを閉めると悟は後から追いかけてくる。
こればかりは仕方ないか……と立ち止まり、私は悟と一緒に部屋に戻った。