第10章 末裔の貝殻は開くのか?
「指輪についてはこの僕、悟君に任せなさい!それはそうとして……僕との約束…無茶をしないって事を守れなかった悪い生徒のハルカちゃん?おしおきはここでしちゃおうかなっ!」
『は?』
おしおき?今ここでするの?思わず悟から体をちょっと逸らす。悟はにこにこと少しばかり悪い笑みを浮かべ(悪代官かよ…)そっと手を下半身へ…。
悟は自身のズボンに手を掛けている。え、嘘でしょ、これマジな流れなの!?私そんな気ないんだけれど、と片手でないない!と拒否アピールをしても悟の暴走は止まらない。
現在の私は大変召し上がりやすい状態。
悟のシャツを取られれば上半身は素肌。あとはパンツだけ。さっきウエストポーチを取る際にぱっと見えた時計は9時を回っていた。こんな真っ昼間から医務室でセックスだなんていけない。
カチャカチャ、ずるり…とズボンとパンツを同時に下げ、まだ臨戦態勢ではないモノを私に見せ付けようとしてる。
「はーい!一昨日ぶりだねー、五条の悟くんです!こんにちわーぼろんっ!」
悟くんです、の段階でまだ下を向いているモノを見せる。
この調子だと目の前で上向きにされる作業に取り掛られてしまう。勃ってしまったらどうなるか?愛情表現の行為ではない、生殖活動の方向性で私に突っ込まれる未来が見える。
自身の体を抱くようにしながら仰け反るレベルでベッド上、悟を避けた。
『うっわサイテー!仮にも医務室よ?怪我人用の個室ベッドよ?そこで致そうとかあんたねぇ……!』
屈んでそっと耳元で囁き始める、それは押し倒すに近い体勢。平常時のモロチンがちらりと視界に入ってその気にはならないけれど。
「声、出しちゃ駄目だゾ…?硝子に見つかる前に早くえっちしよ……?コンドームは無いけど良いでしょ、外に出すから」
『……っ、やぁっ、』
私の鼓膜を蕩かすような甘い声で囁く瞬間だった。
ガラ、とドアを開ける音。悟の体で見えないので体を傾けてその来訪者を見れば家入だった。
明らかにこの個室に踏み入れた足を止め、視線は悟の腰……多分、家入からは悟の半ケツが見えている。そのケツの持ち主の悟は後ろを(股間を気にしながら)見た。
家入はまるでゴミを見るような視線をしている……。