• テキストサイズ

【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第9章 五条求婚する


『その一生懸命書いたものを放っておけなかったんだよ、私は。どれだけ毎日……例え1日に10枚貰ったとしたって、昨日の出発の時に悟に貰ったのはたったの1枚、これだけなんだし』

「………ははっ、」

そう短く肩を揺らして笑われて。少し悲しそうに悟は笑っている。
力を込めたのか、ぐしゃ、と紙が皺を刻んだ。

「……んだよ、それ…。俺はオマエをそこまで深追いさせて失いたくないんだけど?そんなまでされてさ、死なれたら結婚どころじゃないだろ。本末転倒も良い所だっての…っ!
俺はただ、オマエと一緒になりたいからって……、」
『………いいよ?』

私の返事に悟は豆鉄砲を食らった鳩の様だ。
ぽかんとして私をじっと見て、遅れて"は?"と聞き返した。
信じられないって顔だな。

『いいよ、婚姻届書いても。結婚しても』
「え…マジ?そんな、急にさぁ~…ちょっと手のひら返しも良い所でしょ」

結婚しても良いけれど、それはすぐは嫌だった。だから私は条件を出すことにした。すぐでもないし、ずっと後でもない丁度良いタイミング。
私としての切なる願い。五条家に入る前に思い出が欲しいという事。交際期間が短いのだってその思い出を重ねるうちに伸びる。それを彼に提示したい。

『でも条件があるよ。こないだみたいなデートを10回くらいしてからならすぐにでも結婚して良いよ。
泊りがけは2回分じゃなくて1回だし、学校終わってからってのは駄目、それ多分夕食に行ってるだけだもん。
……簡単でしょ?早くて2ヶ月以内なんじゃない?』

まあそんな事(最短コース)されたら休みに休めない状態なのだけれど。
私が悟にデートを10回という条件を出すと、悟はごそごそとサングラスを取り出して掛ける。
表情はいつのみたいな笑顔へ戻っていた。
/ 2273ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp