第9章 五条求婚する
緩めた腕でハルカの体をくるりと回し、背を軽く押す。五条悟の稽古は本日終了しましたーっと、出口へと向かわせて。
「そんな可愛い事言うから補習どころじゃなくなったじゃーん、責任とって部屋でずっとくっつかせて貰おうかな!」
本気でもあり冗談でもある言葉にハルカは少し鼻で笑った。
僕にずっと着いてこられるのはたったひとり、きっとこの女性。とても大事な僕の恋人。
『責任もなにもずっとくっついてるじゃん。ほら、部屋行くなら早く、お腹空いたんだけれど』
「今日中華にしようぜ~」
『ん、良いんじゃない?』
わーい、と僕は返事して彼女の背に触れながら寮の方向へゆっくりと進む。オチもないような話とか、パンダが真希にちょっかい出して殴られてただとかそんな話で盛り上がりながら。
……さてと。今度のデートはどこにしようか。隣で僕の冗談に笑った顔を見て僕も釣られ、一緒に居られる時間が嬉しくて笑った。