第9章 五条求婚する
僕につられて軽く体を解しながら、そうハルカは言う。ちょっとだけ年下の子に…しかも恋人に先生だなんて呼ばれるのはくすぐったいものだ。
……それ、夜に言って欲しいなぁー、ぎゅんぎゅんクるものがあるんだけれど。今夜、したくなっちゃったなあ。試しにベッドで僕に先生って言わせてみようか?事案じゃね?なんて怒られちゃう気もするけど!
指先でくい、とハルカを誘う。
「さあ!どこからでもかかってきなよ?キミの最強の恋人、五条悟君が相手してあげる」
『じゃあ遠慮なく胸を貸して貰うよ…っ!』
初めの頃と比べればしっかりと基礎も出来て、ちゃんと威力もある。
殴りかかる拳を手の平で受け、指で包むようにすると引っこ抜かれてしまった。次は側面への蹴りか、良いコンボだ!それをも受け止め頭を逸して飛んできた拳を避ける。
午後も授業としてしっかり体術を仕込まれたっていうのに熱心だ。それは感心してるし彼女らしい。ちょっぴり不良に見えて真面目な女の子。
……でも呪術師としてのイカレ具合はどうかなぁ?
軽く横にずれて避けて行く。ステップを踏むように避け続けていたら少し頬が膨らんだので言われる前にちょっと真面目に戻っておく。
ハルカは静観しているタイプ。基本やれば出来る子。戦いの中だと"よし、やってやるか"、のスタンスで呪霊を倒してる。確かにそれはこの狂った界隈の中じゃ程よい程度。
でも…!
僕はしゃがみ、回し蹴りをしてきたハルカの攻撃を避けて、腕の辺りを殴る。
『……う、』
……今の、ちょっと呻いたのに興奮しちゃった事は黙っておこうっと!
殴った場所を触れて、治療が見えた。すぐに反撃をしてくる。それを見切って、避けてまた一発蹴りを入れて……と前に比べたら僕の手加減は少しあるもののちゃんと指導している。
流石に恋人…いや、奥さんになる人に顔やお腹に手は出したくないでしょ。その辺りは僕じゃなくて野薔薇や真希達と鍛えて技術を高めて行けば良いさ。
そんな事言ったらきっとハルカはどっちの意味でも怒りそうだけれど。