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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第9章 五条求婚する


71.

帰りのホームルームで明日の任務についての連絡をし終えた。
悠仁が元気に僕に手を上げて教室を去り、その後恵がちょっと頭を下げて教室を出る。野薔薇は僕とハルカを見て口元に手をやり、ニヤリと笑いながらおっ先ー!と帰っていった。

『釘崎ィ……。じゃ、15分くらいしたら行くから』
「うん、首を長くして待ってるよ」

最後に僕の前をハルカが通る。補習という名の稽古が彼女にはある。まだまだ座学の多い1年の生徒たち。普通の学生らしい下校(といっても皆寮に住んでるけど)青から橙へと染まりつつある空を教室の窓から眺めた。
1年の皆も実力が着いてきている。特に3人は安心だ、強かに呪霊を祓いに行けている。ハルカも治療するスピードや対応が良くなってきている。
今回は呪詛師が潜伏してるという事でそこへ向かわせる。
……ただし。1年ではあるけれどハルカのみ2年の任務に同行させる。これは恵達とは別件の任務であって報告に合った棘の喉のケアと呪霊を呼び寄せる囮。
色々考えてるみたいだから心配したくは無いけれど、ハルカの術式としては相手に触れないといけない。

教室からのんびりと待ち合わせのとある一室へと足を運んだ。
アイマスクを下げてカシャ、とサングラスを掛ける。
ここは誰も居ない夕日の差し込む一室。補習は座学を教え終えて体術をもっと極めたい!というハルカの希望でここを使う。
まだかなぁ、と彼女を待つ。携帯を取り出せば13分、まああの子の事だから15分以上掛けたりしないだろうけれど。
……遅刻したら1分毎に1回キスしてやろ。

ばたばたと急いでやって来たハルカは私服のラフな格好だ。動きやすさを重視している。
"一度部屋に帰って着替えとご飯の炊飯だけしてくる"と部屋に帰っている。しっかりものだなぁ、と思う反面そういう所だと僕は思っている。

「なーんだ遅刻してこないのー?」
『え?遅刻して欲しかったわけ?』

きょとんとした顔にこっちの話!と追加して。どっちにしろ前のように"さん"付けしたらキスね!が通用しない。あんなに恥ずかしがってたのにねえ…。罰じゃなくて普通に部屋でしよう。
少し腕の筋肉を伸ばして準備運動をする。

「じゃあ、手合わせ…始めよっか!」
『ん、じゃあお願いね、"先生"』
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