• テキストサイズ

【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第9章 五条求婚する


「…ん、」
『どうもです』

紙コップとカップホルダーを組み合わせて私に渡してきた。
私はそのカップにサラサラと粉を入れて電動湯沸かし器からお湯を貰う。隣ではコーヒーの香り、家入はコーヒーを選択したようで。

デスク側に家入が、空いた椅子に私が座って少し休憩する。
この休憩が終われば床の掃除。今は血と消毒液の匂いの満ちた空間でも休憩だけはさせて欲しい。
……多分、私も慣れてしまったんだなぁ、この匂いや状況に。

目の前ではふぅ、とコーヒーに息を吹きかけて少し冷ませながらコーヒーを飲んでいる。
彼女はこちらに向きながら脚は組んでいた。空に浮かせた脚は暇そうにぴこぴこと動かして。
私も片手をぶらん、と力なく垂れ下げている。省エネモードというか…。
もう片手で少しお湯を入れすぎて薄味のカフェラテを少しすする。いくら使い捨てマドラーで混ぜようとも、薄いままのカフェラテ。熱くて全然飲めない。
ブレイクタイムを始めて口を開いたのは家入だった。

「週末、飲みに行くか?」
『行きます』
「ふふっ…即答だな。今回私の先輩……京都校の教師もひとり誘ってるんだが良いか?酒が好きな先輩でね」

自分でも分かる、会話の声色が疲れているという事。
大量の精神汚染や怪我を治療も疲れたけれど大怪我を直すのもちょっと疲れる。私自身に呪いが直接触れた時の方が降りかかる疲労は大きいけれど。
家入の場合は多分、夜に起こされていたりするんだろうな……つまりは過労。この医務室はブラックだ、今は床がレッドだけれど。

『良いですよ』
「じゃあ来週に……あ、五条は置いてこいよ、先輩は五条が苦手でね」

悟は一体何をやらかしたんだか、と様々な想像が出来て私は呆れるように小さく笑った。

『良いですよー、もし着いてきた場合ストレスを周りに撒き散らさないうちに早めに連れ帰ります』
「扱いを心得ているな…」

今は一年教室、授業をしている頃だろうな。悟は任務かその辺をぷらぷらしてるかも…教師ってなんだっけ。
学生の学びの場と呪術師の活動の要である高専。そんな中私はまったりと血生臭い空間でだらだらしてる。クラスメイトにはすまないもうちょっとブレイクタイムさせてと言いたい。
/ 2273ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp