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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第8章 スキルアップ


「……しっかし、みたらい目掛けて一直線にのこのこ来るわねー…」

遠い目の釘崎は疲れているのが分かる。

『インベーダーゲームかよってくらいにじわじわ来るんだもん、呪霊じゃなくて猫がめっちゃくる性質の方が良いわっ!はい、治ったので伊地知さん任せます!
次、虎杖ひとり』
「はーい、ひとりご案内~」
「あーもうっ!腕が足らないわねー!森ン中からまたウーウー近付いて来るんだけれどっ!」

時間もここに到着してからかかってる。
それでも人の"負"を回収する頻度が大変多く、最初と比べれば要領を得た。吸い取る、呪力の補給という事で片手につきひとり。腕は二本なので一気にだとふたりまでが限界。
見えない負傷というか、精神汚染の解除に数分かかったのが今では精神汚染のみなら1、2分程。けれど完全無傷で私の元に連れてこられるのは稀で、怪我をしているとちょっとだけプラスされる。
流石に20人以上も回復してりゃ白髪化部分も増えてるだろうし、私も拘束に行ける…むしろ無傷で拘束するのに最適なのが"怒髪天"だけれどそこに介入したら治療するのは誰よ?って話。
治療と拘束を同時進行出来るほど私は器用ではないし。

……慣れてきても、呪力を補給してるといっても疲れるなぁ。
入れ違いで伊地知が手配したんだろう、もう一台のバスが入ってくる。それが来ると今回の被害者の乗ったバスが出発した。

将来が思いやられる、結構大変だぞ。家入さん目の下に隈付けていつも忙しいのってこういう感じなんじゃないのかなぁ……。この界隈のブラック中のブラック度を察する。
他人を治療出来る術者が少ない。呪術師そのものが少ない中での更に少ない部類の仕事はあまりにも過酷そうだ。

悟であれば器用に術式順転と反転術式を同時に出来そうだけれど私はそこまで器用じゃないから拘束は諦めて治療のみに専念している。
しばらく同じ作業を続けた結果。釘崎がついに限界を迎えた。体力とかじゃない、飽きからの限界。

「だーーっ!これ誰かひとり精神汚染掛けたヤツ祓えばどうにかなるんじゃないのっ!?」
『出てくる頻度少なくはなってきたとは言え流石に私も疲れたわ……しんどい、ご飯食べてさっさと寝たいレベル』
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