第8章 スキルアップ
「行け、"玉犬"」
"ウォンッ!"
下調べ、という事で奥の方へと飛びかかる玉犬は、こちらを覗き込む人型の肌色のモノに食らいに向かった。
私達からおよそ3m程離れた木の幹、裏に歯をむき出して飛びつく。
"ガァウッ!"
"ン゙ンーーーァァっ!"
咆哮と言葉にならない人の様な声。
ガサ、ガサガサ!と熊笹やその他の雑草が騒がしい。
互いに顔を見やる。私も同じように不思議だという顔をしていただろう、虎杖も釘崎も不思議だという顔をしてる。術式などを使う呪霊というわけじゃ無さそうで、低級の呪いであればとっくに消えているというのに。
4人の中でただひとり、伏黒だけがが眉をひそめていた。