第2章 視界から呪いへの鎹
「──"解除"……これで、リョウコの掛けたモノは解かれました。ハルカ、何か思い出せたりするか?」
きょろきょろ周りを見て、別にクリーチャー的なモノが見えない事を確認し、自身になんの変化があったのかを探ろうにも何も分からない。
私は首を横に振った。
『視界に変なものが見えるわけでも、凄い術とかの記憶が蘇る事が起こる訳でも…何が変わったのかも、分からない…』
今思い出せた記憶、小さい時に来て、今日と同じく"でけぇ家"と言ったくらいは蘇ったけれど。
母が祖母がさっきやった目を覆うやつをやってたのもぼんやり思い出せるけれど、目を塞がれちゃ分からないし。
私のその頼りない答えを聞いて、祖母は肩を落とす。
「自ずと覚醒していく時間さえも、リョウコに奪われたか……」
私を呆れたように見る祖母に対し、悟は楽観的そうだ。
「良いじゃん良いじゃん、これからキミは色々知っていくんだ。見えるという事、その第一歩で後はキミ自身が覚醒するか、覚醒せずとも呪具を持てば呪いへの対策が出来る。
早速、ちょっと外に散歩に出ない?リッカーにエンカウントするかもよ?」
『リッカーはマジ勘弁!見た目がマトモなのとか居ないの?猫ちゃんとか』
ピリついた空気を悟が壊してくれたので、少し緊張がほぐれた。
今はその性格に救われている。
「見たことあるのだと、猫型で目がいっぱい付いてるの居たけど可愛くないと思うよ?
可愛いの居ても呪いだからダメージ食らうだろうし、見た目で騙して寄生獣みたいにぱふぁっ、ってクリーチャー化すンじゃない?」
『うぇ……』