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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第7章 このリセットは強くある為に


一族を買うだとか予想外の事を言い出すなぁ…そういう所だぞ、良い意味で。悟を見ていたら、撫でる手を頭に置いていたのを再び肩へと移した悟。

「ありゃりゃ、みんな怒ってるねー…プレゼン失敗かなー?とりあえず一旦引くかな。ハルカ、何か一言言い残しといたら?」

"好き勝手やって、この領域から逃げられるとでも思っているのですか!?"
"禪院だけじゃない、五条も憎むべき対象なのではないのですか!?鎹様!"

ガヤガヤ騒がしい先祖たち。

「おーおー、盛り上がってるねぇ!」

愉快そうな悟は私をしっかりと片手で抱き寄せたまま周囲をしっかり確認してる。
揉めてる中、私はとある方向を向いた。母のいる方向だ。

『お母さん!また来るから!絶対にそこから出すから!』

"誰がリョウコを出すと言ったっ!"
"あの男をまず始末するべきだ、ハルカを狙えずとも男だけは対象外…狙える!"

各方面から白髪が伸びてくる。
悟は片手を出して、印を組んだ。人差し指と中指が交差している。
いくつかは悟自身で式髪を弾き飛ばせている。ただ、タイミングが少しばかり遅かったみたいで印を結ぶ肩にどす、と白装束の誰かの攻撃が突き刺さってる。

『悟っ!』

「大丈夫だよ、ハルカ。
──領域展開…"無量空処"」

その赤黒く生命を感じさせられない地獄の光景は、まるで世界の始まりのような宇宙空間に背後から前方へと塗り替わっていく。
あたふたする過去に生きた春日の一族は無に塗り替わり、その空間では悟に抱き寄せられた私だけが居た。

『これ、は…?』

思わず悟にぎゅっと抱きつく。
頭上も、足元も全てが宇宙空間、遠くに星々が見えるような…プラネタリウムのような世界。

「こうやって僕の領域に塗り替えてしまえば、僕のプレゼンにいちゃもんつけるうるさい声も聞こえないってね!」

いつもの軽薄なそのウインクに助けられて、私は笑った。
……その悟の服に滲む赤。私が強く出れなかったばかりに怪我をさせてしまった赤だ。怪我は領域から出た後に治療するとして。
あの沢山の死者を私は扱えるのか…すぐには出来なくとも彼女らを自信持って使役する事。またひとつ課題が出来てしまった。
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