第7章 このリセットは強くある為に
「こちら、皆さん春日一族の現在の生き残り、婆さんと小娘の小娘の方、みたらいハルカちゃんです!そして僕が彼女の恋人、五条家現当主の五条悟君です!本日はね、皆さんに顔見せにやって来ました!
これから先ハルカにちゃんと力添えしてあげてね、後の世代を大事に想ってやるのが先代ってモンだろ?」
手の平を赤装束に向けて少し説教する悟に、先代も困惑している。
そして私もちょっと困惑している。恋人って言って良いのかな、春日家って許婚制だからそこでブチ切れる案件になりそうだけれど。
案の定、赤装束はぶちキレてる模様。そして周囲の白装束も騒ぎ立てている。
"何を言っている!?そこのハルカ!春日の苗字はどうした?やはりリョウコのせいか?何故お前の相手が五条なんだ!?"
苗字でさえもみたらいであることを許していない。きっと兄が生まれる前も揉めただろうなと察した。本来、母が言いなりで結婚していた場合苗字はみたらいのままだったという事だ。
それだけじゃない、恋人としてまさかの五条家当主が出てきたというからもはや一族で過去一番の問題児として見られているだろう、私。うん、危害与えられる系だよね。
悟に引き寄せられる力がぎゅっと少し強められて私は悟にしがみついた。
「なんでって、お互いが好きだからじゃん?許婚って確かにあるけれど僕、面倒くさいから断ったしハルカ側も許婚断ってるし。お互いに好きな相手が良いよねって考えも一致してるしね」
え、許婚とか悟断ってたの?そう質問したい視線で悟を見上げれば、片手でサングラスを外しウインクをされた。
文句でも言ってやりたかったけれど、悟の言葉もあって文句が私の口からは飛び出ない。
「ハルカ、領域展開の中では攻撃は必中する。もし僕が怪我したら治してね?」
『う、うん…?』
にこにことした悟は私から赤装束へ。
テンションはいつも通りに。しかし内容はあまりにも重要すぎた。