第6章 "愛"も止まらない!
『じっ、自分で脱ぎます…』
「はぁ?嫌だね、僕が脱がすんだい」
またロマンかよ、と片腕で胸を隠しながら敷布団にゆっくり仰向けになると悟は手の平を滑らせるように上半身からススス…と服と下着を共に脱がせていく。
あっという間に敷布団のわたしはまな板の上の鯉となってしまった。
まず脱衣所だとかそういった場所ではなく寝室で全裸という状況になった事が無い故に、恥ずかしさやこれから起こる事を考えればもどかしい。服を着て隠したい…!と手や太ももで見られたくない場所を隠そうならば悟がどかしてしまう。
真っ赤になったままに少し身を捩った。悟は下半身にさっきまで纏ってた私の服を畳に置いてじっくりと舐めるように私を見てる。
「ハルカの、いやハルカとの初えっちかあ……うん、僕もなんだかどきどきしてきたなぁ…、」
月明かりに照らされる中、悟はズボンと下着を脱いで服が積まれた場所に重ねる。
照らされた光でも前にみた、狂気の化身が嫌でも目に入る。私は視線を反らした。
クックック、と控えめに笑う声がして反らした視線を戻せば距離を縮める悟。
「そんなに恥ずかしがるなよー、ねっ?身も心もあったかく触れ合おうぜ!」
そう言いながら私に覆い被さる悟。互いの腕が触れてその人肌が少しだけ心地良い。
けれどその触れ合いだけで終わらない。さっき見えたものが私の中に入ってくるという恐怖。
『そんなの、無理でしょ…それが入ると思ってるの!?』
外した視線、もう一度チラ見すれば上向きのものが見えた。角度が固定されているのか先端が狙いを定めるように私側を向いてる。
悟は自身のそれを見て、不安がる私の顔に向き直ってはははっ!と笑った。
「大丈夫、大丈夫!痛くならないようにしてあげる。ほら、ハルカ…手をさ?僕の背に回してて。もしもキミが痛いと感じたら思いっきり爪を立てても良いよ、怪我は治せるんだし」
『…はっ、勿体ない術式の使い方だよ…』