第6章 "愛"も止まらない!
ババアと小娘の言い争う食卓の中、悟はたまにケタケタ笑いながら食事をしている。
ちょっとヒートアップしてた所で我に還った、そうそう悟居たんだよなー…っと。
祖母の追撃の言葉が来たので、私は悟から頑固婆婆へと不服な表情を浮かべた顔を向けた。
「いつまでも結婚せず子供もこさえず23にもなって、あっという間に式髪も来るべき所まで来てるじゃあないか!術式もロクに使いこなしてないという証拠だ、この穀潰しが!」
『だれが穀潰しだよ!ちゃんとあんたの見てない所で呪術使ってるわ!それに母さんは父ちゃんとちゃっちゃとデキ婚したんでしょうが!』
過熱する和室の中で、悟が私の肩をトントンと叩くので振り返る。
「キミのお母さん、いくつでお兄ちゃん産んだの?」
突然の悟からの質問にややヒートアップ気味の口喧嘩が止まった。
それは私だけじゃなくて祖母も同じく。
私は悟の質問に、かつて聞いた母の話を思い出しながら答える。
『……17歳。私は18歳の時らしいよ』
「ヒャー!わっかいねぇ!」
味噌汁片手に親戚のおじさんみたいな雰囲気の悟。祖母への怒りも消えるわ、こののほほんとした悟を見てたら。
ふー…っ、と長く息を吐いて少し気分を変える。暴走しすぎてしまう所だったし。
『ともかく!私は一族の為だとかそういう理由で私の人生あんたの考えるような馬鹿みたいなつまらない生き方に決めつけないで!』
「なんだと?この小娘がっ!春日を終わらせるつもりかっ!」
鎮火させようとしたのに再発火させる祖母。そこに口を挟む、いや手を上げて発言権を得たのは悟。
箸をトレイにカランッ、と置いて"はい!"と言うもんで、私はどうぞと言わざる負えない。