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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第6章 "愛"も止まらない!


気軽に断ろうという雰囲気を出す悟と、真衣が"だからー!"と再び揉めそうな空気。

「それからキミのお婆ちゃんにも会いにさ……結構式髪使っちゃってるけれど、お婆ちゃん泡吹いて倒れない?死んじゃうんじゃないか心配だよ~…あっ!そしたら春日一族ってキミだけになるねー!」
『ザ・不謹慎!』

背後に京都校の二人、その前方に私達。
キャリーバッグをガラガラ引きながら悟は、私の結っている髪を梳き、毛先を凝視している。
悟の言う通り、治療や呪術自習としての規模の小さめなもので式髪を白く染めていった。私には領域展開がある。それはある程度の式髪を消費…いや、揃えている状態じゃないと展開出来ない"縛り"。試しに出来るその時を伺いながら今日まで溜め込んでいたというわけで。
なにもすぐに死ぬって訳じゃない、半分程度染まってるくらいだし。

悟がまだ毛先を見ているのを見ながら、私もサイドから流れるほとんどが白の毛束を指先で弄る。
片手に集中する書類のずっしりとした重さがあったので、すぐに荷物を持ち直したけれど。

『倒れようがなんだろうが、あの鬼婆婆なんて知らない』
「けど、キミがどう思おうとも春日は婆さんとキミしかいない。それでいて若者はハルカだけ」

この場で言いたい言葉をぐっと堪える。
改札から出て、出口に向かいながら悟は間を開けてその言葉を続けた。

「──婆さんは本気出して"今すぐに"って迫るだろうね~…」
『ぐ…っ、』

つまりは龍太郎案件だ。
祖母の家では私ひとりにならない事を気を付け、最悪戦う事を考えていかないと……って、祖母も回復出来るなら不利なのでは?と最悪のパターンでの戦術を頭で整理してると、悟は"ところで"とおまけを付けた。

「明日東京に帰るつもりだったけど、結局今日会っちゃったしね~…」
『……はあ、つまり?』

何をもったいぶった言い方をしてるんだ?と斜め上のアイマスクの顔を伺う。口元はとても愉快そうだ。

「明日、明後日って休みだったじゃん。つまり…そういう事!覚悟は決めてあるんだろ?」

その覚悟は決まっちゃいない。
思わず立ち止まってしまった私の足。真衣がどうしたの?と聞くけれど私は理由が言えず首を振った。
悟はというと数歩先、京都名産品の駅土産ブースに足取り軽く向かっていってる。
挟むように東堂が私の横に並んで、悟にと話しかけていた。
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