第6章 "愛"も止まらない!
『いや、さ…だって…恥ずかしいし。どう考えても"そういう目"で見られるじゃん』
他の学年がどうかは知らない。けれど、知ってる人は知ってる。それに、相手が悟と分からずとも男とそういう事してたんだ…この女は…、と見られる。
ぐっ、と制服の襟を掴んで悟はそのまま生地を伸ばしながら、インナーをも引っ張る。見える肌の面積が増えたのが見えて私は悟った。そしてずっと視線が合わなかった悟と視線が合ってしまった。
「僕はさ、僕とハルカがそういう関係だって回りの人間に見て欲しいんだよね。むしろ見せつけたいっていうか…認めて欲しいというか。実際はまだキミに手をつけてなくってもだよ?」
『……』
素肌に顔を埋めるように近付き、首筋に悟の髪がさらりと触れる。肌に当たる熱い吐息、そして温かい唇が触れて"ちゅ、"という短い痛み。
顔を肌から離して悟はキスが出来るくらいの距離で話す。きっと10センチ程あるかどうかってくらい。
「ハルカはさ、恋人に何を求めてるの?キミの恋人の定義が僕は知りたいんだけれど」
恋人の定義。
難しい事を聞いてくるよなぁ、と壁掛けの時計を見てから悟のその吸い込まれそうな瞳を見て、居た堪れなくなって。その視線から逃れようと首を反らせば簡単に位置を片手で直されてしまった。
『好きで、一緒に居て安心して…楽しくて、ずっと居たい人、とか?』
「うんうん、で……他は無いの?」
他?と聞き返すと悟はにっこりと笑った。
「僕はキミよりも欲張りだから、それ以外にも、キミに触れてもっと"ハルカ"って女の子を知りたいんだよ。
それはハルカの外見も、内面も……それからいつかはここの奥も…」
とん、と視界の外側、悟は片手が私の腹部を指差してススー…、と下になぞっていく。スカート上部で指は離れたけれども少し丈の短い制服…肌に直接触れたその位置は確実に。
じわじわと顔が熱をもってきた。悟はそんな私の様子を見て小さく笑い声をククッ、と漏らしてる。