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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第6章 "愛"も止まらない!


そう思われるのも仕方がない。けれどその原因は今は居ない。
着替えるためにと席を立つ釘崎と教室から廊下へと出る。
どっかで鉢合わせする前に運動場に移動したい所よ、と少し急かしたいのを抑えて平然を装った。

『嫌がってた?ふふん…気の所為じゃない?気の所為、気の所為森の精、』
「ふーん…あ、先生忘れ物?」

私を見ていた視線は別方向…そう、私の後ろの方を見ている釘崎。
嘘でしょ……?振り向きたくない私の背後、私は釘崎に苦笑いを零した。

「ハルカ、ちょーっと良いかな?大事な用があるんだよね!」

私と釘崎が並んで更衣室へと向かいながら、体術について嫌がっていた事を否定する最中どこから湧いたのか私の背後に居た悟。
振り返ろうとしない私の肩を両手でぽん、と叩く恐怖に歩みを止めた。背筋が思わずピーンと伸びてしまう程に。
私の異変に歩いていた釘崎は振り向いて不思議そうな表情してる。一度悟を見て、神出鬼没に慣れてるみたいだ。

「私は先着替えて行ってるわよ?先生が用あるみたいだし」
「うん、野薔薇は先行ってな。ハルカに呪術について言い忘れた事があってさ!」

ゆっくりと私は首を振る、釘崎行かないで…!
そんな私と目が合った瞬間、ウインクしてガッツポーズをされた。何を…何を……、

『何を頑張れと…!?』

遠ざかる釘崎に手を伸ばすも悟はその伸ばした手を掴む。
そしてアイマスクを下げて、裸眼でちょっと小馬鹿にするように見下した。

「はい、そこまで。ここじゃあちょっと話しにくいよねー!ちょっとそこの空き教室、行こうか?」
『アッハイ』

確実に悟の視線は首元。すっかり自身で治した内出血の一切無い首筋だ。
ぐいぐいと引かれて、誰も居ない空き教室に入ると悟はドアをさっさと閉めて、私の制服の襟を何度も撫で付けるように押さえつけてる。
その流し目というか、私から視線を外しているというのにこの空気のピリピリした感じ。少しばかり怒っていらっしゃるようで。

「さて、と。どうして治しちゃったのかなー?それにハルカ、僕が教室に来るまでファスナー上げて隠してたでしょ、キミ。バレてないと思ったの?」

完全に行動がバレていたとは。
神出鬼没とはいえ、そんな細かい所を見ていたの?どこから?だなんて今は聞くことは出来なかった。
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