第6章 "愛"も止まらない!
『──嘘でしょ、悟。女の子と遊んでて今更私なんかで照れ「黙って」』
指差す手首を掴まれ引き寄せられた。
私がしたキスとは比べようにならない程に深い口付けが始まる。
私からしたものはわずかに粘膜が触れた程度。悟にされているのは"喰われる"という表現が正しいほどに深く激しく。
『んっ、ぅ……!?』
ちゅく、と私を貪っていく悟。手首を掴んでたその手は、今度はしっかりと後頭部に手を回して、もう片手は背中で逃げれない。
悟の舌が乱暴にも口内を荒らし回っていく。
ちゅっ、ちゅくっ…
いきなりの事で開けたままの瞳はしっかりと夜でありながら爽やかな空を間近で見る。虹彩は綺麗なのに意地悪で少し細められると私の身体を持ち上げられる。
何度も何度もキスしたまま、私は背後に柔らかい布を感じた。ギシッ、と軋むのはこの部屋のベッド。
──唇はようやく離れた。
『はっ…はぁっ……いきなり、なに…っすんの』
私は仰向けで運ばれて、悟は私の身体を跨ぎ、両手を私の頭を挟むように、ベッドに着いている。
この今の体勢って。通称、押し倒すって言えば良いのだろうか。
悟は少し顔を赤くして、意地悪そうな表情をしてる。
「だから何回か言ってるけど…僕がこうなるのはキミが初めてなんだよね……」
悟は手の甲で口元を隠す。
余裕が無さそうでそんな彼の赤面に私はどきどきと見惚れていた。
…でも、やっぱりこの男はそういう男。
「いやぁー…この天才で最強な五条悟という僕ってばハルカに絆されちゃったんだねぇ~…しみじみ…」
『おまいう…』
「ふふん…、じゃあお風呂場の続きしちゃおうかなっ!」
部屋着の首筋に埋められる顔。
止めようと私は彼の頭を引き剥がそうとしても、悟は何度も何度も執拗にたくさんのマーキングをしていった。