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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第2章 視界から呪いへの鎹


ふと、悟の話を思い返していく。空腹、体調不良……。
もしそうなら最初に勤めていた所は、その呪いのせいで私が体調崩して辞めたって事になる。
私は隣を歩く悟を見上げる。私の視線に気が付いて、目隠し越しに私を覗き込む。

『もしかして……その、私のその身代わりのーってやつのせいで会社を辞める事になったって事?その、呪いを集めちゃって…私が体力削られて……。
そうやってまともに働けなくなってた、という事?』

「そうなんじゃない?呪いは負の感情を集めたものだし、ハルカちゃんが居た場所がブラック企業とかだったら確実にあるよ、結構黒い噂の多い会社ってね、負の感情が多く集まるからこそ、呪いが発生するんだ」

私の居た場所はまごうことなくブラック企業だった……と在籍してた時を思い出した。
私だけじゃなく、同期もすごい勢いで辞めていって、新しい社員が入ってはまた辞めて……残るのは蠱毒の如く、ヤバイ社員ばかり…私は蠱毒にはなれなかった。ただ精神と寿命をすり減らす、蠱毒達の餌食になっただけ。

そこそこ稼げたけれど、辞めた後は結構気軽に働けた……ただ、見えない呪いにやられて体調崩して居る時は早退したり、休んだりしていたけれど…。

つまり。その呪いが見えて対処出来れば、体調を崩すことが無くなる、イコールしっかり働けるって事じゃん。
それに気が付いた私は悟に文句を言うように声を上げた。

『ホムセンのバイトしてる場合じゃないじゃない!』

「死んだら仕事とか言ってる場合じゃないけどねー」

ならさっさと実家に行って、確認とか、自分がその呪いっていうのを見える手段とか、戦う手段を得ないといけない。
まだまだ働き盛り、稼いで欲しいものは買いたいし、食べたいものは口にしたいし、行きたい所は旅行したかった。

なのに、呪いのせいで?それらを我慢して、もしかしたら髪の毛真っ白になって早死にするかもって。
なんだそりゃ!私はやる気が出てきた。休日の午後になる所、気合を入れた所で私は、あっ…と声を漏らした。

『ここから新幹線って事は遠い、んだよね?詳しい場所知らないけれど…』

祖母の家、京都ってくらいしか覚えてないけれど。
悟は、ははっと笑った。
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