第5章 "好き"が止まらない!
忙しいから助けられない場合がある。
そうは言ってるけれど、悟は割と助けてくれたりする。この場では言わないけれども…。何度も助けられているから。私はその何度も助けてくれる悟を好きになってしまって、そこから悟の良い所を知ってしまったから。
……まあ、調子にのりすぎてイラつく事もあるけれどね。
進行方向の頭上…満点の星空を見上げながら、私達は敷地内に入り帰路を進めていった。
寮に入って、それぞれの部屋のある場所に行くかと思えば釘崎の提案でそれは阻止される。それは彼女の些細な疑問で。
「みたらいの部屋は皆の部屋より離れてんのねー」
5人で寮の階段を上がった所で私の部屋がどこにあるのか知りたい、と釘崎が言うので私の部屋前に行くことにした。
あわよくば、そのうち夕飯を交互に食べない?という釘崎の誘いもあった。それは楽になりそうだしひとり寂しく食べるよりは良い。でもその場合悟が居るけれどどうなるのやら。3人で食べるの?それとも5人集まるのかな…。
そうなった場合は鍋になって、悟や虎杖の悪ふざけで闇鍋になる未来もありそうだな、ともしもの未来を考えているうちに私や悟の部屋のある階にやってきた。
コッコッコッ…と皆のバラバラな靴音が私の部屋前で止まる。
『私の部屋はここです……で、左側が先生のお部屋ですねー』
部屋の紹介をすると、虎杖と伏黒と釘崎が真顔になって、3人して顔を見合わせていた。目が点になるとはこういう事なんだろう。
「なんで先生、学生寮に、しかもみたらいの部屋の隣に住み込んでんですか?」
『え……知ってたんじゃなかったの!?』
伏黒の言葉に私も一旦目が点になってしまった。
皆知ってたんじゃないの?今まで知らなくて、私にはこれが当たり前だと思っていたのだけれど。
「いや、俺達も初めて知ったわ。教員も確かに住めるけれどこれわざとでしょ」