第5章 "好き"が止まらない!
『個人行動はしないようにはするけれどさ、もしもひとりでふらついてたら……そういう事になるって事か…』
「うん、そだね。京都の呪術高専にぶちこまれるか、振られても諦めきれてない許婚くんにぶちこ『わぁー!』おっと失礼!そういう事で本気でヤバいから頑張って!」
未成年の前でなんてことを言い出すんだこの男は!とトンデモ発言を遮った。
しかし、情報が漏れたって事は最重要な事を悟から聞いてしまったな。家が特定されないように、父親は携帯電話だけを教えていた。住所は細かくは教えていないので、今まで私が被害に遭うことはなかった。
もしもこの姉妹校にバレた勢いで住所まで特定されたらヤバい。情報が姉妹校へ、姉妹校が父や祖母に私を京都の呪術高専に入れさせろだとか説得しろとか言ったとしよう。その祖母が孫の現住所を教えろと言ったら?伝わってしまったら?
ゆけ!龍太郎!で、襲われて…。
……ジ・エンドだ!
祖母の産んだ娘…つまり私の母の姉妹達は4人居た。
家系図を見る限り、若くして死んだとか出産時に母子共に死亡だとか式髪に染められて…とかで今じゃ私のみ。
確実に高専に徒歩でありながらも進みつつ、これからの自分についてをひとり腕を組んで考える。
春日のブリーダーに捕まりたくはないから基本巣ごもりだなぁ…。
これから先に不安になる私に釘崎は悟に向かって言い放った。
「そこは先生が守るべきじゃないの?彼氏とかって以前に男としてどうかって話よ?」
「野薔薇が言うことは分かるよ?でも僕もこう見えて特級呪術師だから多忙だもん、ずっと守ってられないんだよね。捕まったら全力で助けに行くけどさ、今日のハルカをみたら自力でもなんとか出来そうだよねー」
今日の私。校舎から不利と判断した呪霊を追い詰めて、"怒髪天"の自在に動く式髪を槍状にしてトドメを刺した事を言ってる。
『そうだね、プーチンでマサイでアマゾネスなフン族ですよ』
「そこまで僕言ってないんだけどキミが言うならそうなんだろうね」
『ふっざけんなよ……?』