第41章 白銀の歪んだ呪いの鎹-Cursed clamp-
『……遊ぶって、あんた、何して遊ぶの…?』
「あ?……なんだよオマエ、俺の事をあんたって呼ぶなよ。俺の事は悟って呼び捨てで良いからそう呼べ」
……うわ、すっごい偉そーっ!
自分では私の事オマエオマエ言ってるのにさあ…。
嫌な顔をしちゃったみたいで男の子…、悟は私の顔を見て眉を寄せた。
「……その顔なんだよ、呼ばないって選択なんてねえからな?」
ずんずんと進む悟は真っ直ぐに砂場に向かってる。自由に他の子も遊んでるけれど周りの子なんて構わずに私の手を握ってずっと引っ張って進む彼。
この男の子の名前は分かったけど、そんなすぐに呼び捨てなんて出来ないよ……。ちょっとだけ迷った後に砂場に到着した悟の足がぴた、と止まった。
『……これから、よろしくね?……悟…君。
うん、悟君って呼んで良いかな?』
むっ、とした顔なのは変わらない。けど、悟は青い瞳を下に向けて不機嫌とは少し違うなんと説明していいか分からない態度をしていた。視線が泳ぐような、私と目を合わせない彼…。
「別に、君付けしようがしまいが…あんた呼びよりいい……好きに呼べば…?」
『う、うん…』
不機嫌以外の態度も(当然だけど)取るんだなあ…と悟の視線がやがて私に向けられて。
「ほら、ハルカ。山作ろうぜ?昨日俺作ってたろ、そんな感じの山をさぁ」
ずっとあまり機嫌の良い顔をしてなかった彼だけれど、悟のママにおやつ抜きにされる可能性があるから仕方なく遊んでるって強制されてる感じはしない。
この子はちょっとだけ不器用なのかな、と思ったら私も少しこの男の子を信じてみようって思ってさ……もしかしたら、ここに来て初めてのお友達になれるのかなあ?
……ちょっとだけ、今から遊ぶ事が楽しみになってきて。