第41章 白銀の歪んだ呪いの鎹-Cursed clamp-
「ンだよ…え、じゃねえだろ。オマエとは遠い親戚なんだしオマエと仲良くなんねえとウチでおやつくれないって母さんに言われてんだよっ!」
『(不機嫌なわりにおやつで動くんだー……意外かも)』
そんなのおやつ抜きって脅されてまで私と遊ぶものなの…?とその差し出された手を見て、男の子の下唇がちょっとだけ出てる、怒ったような顔を見て動けないでいる私。
私のそんな態度が気に入らなかったのかも。
眉間に皺を寄せて少し屈んだと思ったら、膝を抱いてた私の手をぎゅっと握って無理矢理に立ち上がらせられた。
『な、なにするのっ!?』
「だから遊んでやるって言ってんだよっ!馬鹿!」
引っ張る力に嫌だったから反対側へと私も引っ張れば、男の子はムキになって私を引っ張る。普段から乱暴なのかもしれない男の子に抵抗する私は男の子には叶わなくて、いくらコンクリートの上で踏ん張っても靴の裏の砂をガリガリ言わせて引きずられてる私。
「ほら、俺が遊んでやるからには全力だかんな!」
乱暴なのは嫌い。でも、意地悪とはちょっと違う扱いをされて握りしめられた、その私と同じくらいの手のひらが繋がれてるのをじっと見て、私は少しずつだけど抵抗を無くしていく。
この子を嫌って言って拒否しようとも、こうやっていつまでも繰り返しそうだもん……なんか我儘そうだしさ。
引きずられるのから小走りで男の子に付いていけば、どすどすと大股で歩く同じ髪色の男の子。そのちょっと不機嫌な横顔を見てからその下の繋がれた手を見て……。
どうしてかな?大人の男の人の"普通の人生を共に歩もう"って夢の中の優しい言葉を思い出したりして…──。
なにを見たのか忘れても、言葉だけが頭の中に残ってるんだ、朝の夢。あの男の人は優しい声をどんな人に掛けたんだろう……。
夢の男の人とは違う、今起こってる乱暴な男の子のしぐさを見てこの人じゃないなー、なんて思ったりして。