第41章 白銀の歪んだ呪いの鎹-Cursed clamp-
「こんな所に居た……オマエ、ひとりが好きなワケ?」
見上げれば昨日の、名前も知らないまま別れた男の子でさ、私は逢いたくないって気持ちで男の子からそっぽを向く。
……ひとりが好きな子もどこかにきっと居るだろうけど。私は好きでひとりになりたいって思ってない。
『ひとりが好きなわけ、ないじゃん…』
「ふーん、嫌いなのになんでひとりになってんだよ?コミュ障なの?」
『みんなが、私の髪の毛の色、馬鹿にするじゃん』
……もしもこの子の髪の毛も、色が付いていたのなら、これまでの子みたいに私を馬鹿にしていたんじゃないかって思う。同じ白だから違う事……女だからって馬鹿にしてんだ。
「はあ?俺だってオマエと同じ髪色だろ?俺はここで馬鹿にされてねえし、オマエの事も馬鹿にするヤツなんていねえだろ……」
ジャリ、とすぐ隣で靴底で擦れる砂粒を空気を蹴るみたいに数度擦って遊び、私の隣に座った男の子。
ちら、と見たらその綺麗な瞳と目が合って私はすぐに反対方向を向いた。
『あんただって、私の事女かよって馬鹿にしたじゃん……』
「あ?……あー、だから昨日言ったじゃん、遊ぶなら男同士がいいだろ……。
男ならさ、かけっこだとか、戦隊ごっことか。女とじゃ、遊んだとしてもままごとだの人形遊びで俺、つまんねーもん」
オッエー、と言葉に出してる男の子。
わざわざそれ、女の私の前で言う……?と呆れつつ、少しだけ避けるように体の向きを男の子の反対側に向く。ちょっとだけ私の靴の裏でコンクリートに乗った砂でじゃりって音が私の座った場所から鳴った。
「……あーーっ!クソッ!」
男の子が突然機嫌悪そうに叫ぶものだから、びっくりして男の子の方を向いたら隣からすぐに立ち上がって、シャリシャリと短い白い髪を両手で掻き回してた。
それで不機嫌そうにその片手を座る私に差し出してる。「んっ!」って。
……なに、それ。意味が分かんないよ、ときょとんとしていればむすっとしてまだまだ不機嫌そうな男の子。さっきの髪の毛を自分で掻き回してたせいで短い髪の毛も寝起きみたいにボサボサ…。
「ほら、行くぞ!せっかく俺が迎えに来てやったんだ、オマエと遊んでやる!」
『え…、』