第41章 白銀の歪んだ呪いの鎹-Cursed clamp-
じーっと見てくる男の子。何か他にも言わなきゃ、と綺麗な瞳から視線を外し泳がしていると、男の子は私に向かって口を開いた。
「……オマエ…、」
『なっ、なに…?』
すぐに男の子を見れば座ってた子が立ち上がってじっと私を観察するように見てくる。
「……ああ、母さんが引っ越してくるって言ってた子か…なぁんだ、女かよ」
へっ、と馬鹿にするみたいに笑ってきて男の子の印象は最悪。
なに、この子……なんか、すっごくイヤな子…!
綺麗なのは目だけで、心が綺麗じゃない嫌な男の子だ!
むっとしていると「ハルカ~、」とママの声が近づいてくる。ママの方向を向けばおばちゃんと笑顔で並んで一緒にやってきて、私達の側でしゃがんだ。
「どう?仲良くなれそうかな?」
仲良くなんか、なれるわけないじゃん。髪の毛の色じゃないけれど、この子、私の事女の子だからって笑ったもの…!
ママが私の顔を覗く。私はママと同じ瞳を見上げてから力強く首をぶんぶんと横に振った。
『意地悪な男の子、嫌い……っ』
私の声を聞いて真っ先に反応したのはおばちゃんだった。
「まあ、まーたアンタったらよその子に嫌なことしたのっ!?そうやっていっつも周りの子と距離作んだから、もぉーっ!」
男の子のママが怒ってるけれど、視線を反らした男の子は頬を膨らませて機嫌が凄く悪そう……。自分でやった事なのに怒られてる意味が分からないのかな…、両手をぱんぱん、と砂遊びをした時に手に着いた汚れを叩き、膝にも着いた砂粒を落ち着いて払ってる。
「だって、うじうじした女じゃん。母さんは友達が来るって言ったから俺と同じくらいの男が来るかって思ったのにさ……」
「だからって人が嫌な気持ちになる事は止めなさいって普段から言ってるでしょ…っ!
ったくもー……、アンタとハルカちゃんは遠い親戚なんだから、切っても切れない仲なんだからね!?他のお友達とは違うんだから、大事にしなさい!
……ごめんね、ハルカちゃん…嫌な気持ちにさせたよね……?」