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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第40章 悔いのない人生を


「はい!チキチキ!僕らの出会いクーイズ!」
『当然なにさ、耳に優しくない声量だなあ…』
「問題!ジャジャン!僕とハルカが初めて会った日、オマエはどんな下着だったでしょうか!」

初めて、となると互いに状況は違う。私はアイマスクの不審者に、悟からは真夏の森の中での任務中の私との出会いを。
彼の言う初めて会った日、というのは高専時代の悟の元に私が呪物の能力で行った事なんでしょ……それを理解したからって、いちいち私自身の下着なんて覚えちゃいない。

『知らんがな』
「そんな彼岸花、みたいな言い方~……、正解は!水色です!」
『この終わりの見えない落下中に出す質問?それ……』

マイペースな彼に不安なんてないみたい。ただひたすらに無意味でも意味のある会話は続けられていく。

『じゃあこのノリで質問するならさ?悟が生涯私の下着をゴリラパワーで引きちぎった数はなーん枚?
数字で答えてよ』
「……貴様は今まで食べたパンの枚数を覚えているか?」
『ネタでごまかしてんじゃねえよ??私の着心地の良いお気に入りをことごとく破壊してったろ、あんた。触れたもの全てを破壊してしまう!のコラのタガの外れた吉田沙●里選手か?』
「っかー!しまむらとかアベイルだとかそういう所の安物買うからだろ~?僕がああやって壊さなきゃ何度でも着てたろ、オマエ。ちゃんとしたオーダーメイドでオマエだけの為に作られた下着とかビキニ甲冑とか着ていれば僕も破壊しなかったし~?」
『ビキニ甲冑って。私を女戦士にすんなハゲ』
「ハゲてないもんっ!」

ああ、うん。こんなやりとりも久しぶりじゃん。
昔から変わらない、こんな口喧嘩にも満たない悟との会話におかしくなって、吹き出して笑えば彼も耳元であははは!と楽しげに笑って。
闇で何も見えないけれども安心感と幸せを感じる。きっと隣ではわくわくしたような無邪気な笑顔なのが容易に想像が出来た。
昔よりも彼の声は年を取って少し低くなってしまったけれど、それでも思い出すのは特に出会った時のふたりきりだった時代の悟。思い出が多いから、どうしてもあの頃の悟を思い出して今の見えない彼に当てはめている。
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