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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第40章 悔いのない人生を


「オマエの場合、感覚がほとんど無いんだっけ?」

『うん、目と耳くらいは生きてた時と変わらないけど。今は真っ暗だから悟の事はもう耳でしか分からない……』

……すごく、残念に感じる。不平等じゃん。悟にはしっかりと見えてるのに、私には悟が見えないんだもん。耳だけじゃ、側の彼は色褪せない記憶の中の美しい彼の笑顔を思い出して補填するしかない。

「へえ~…見えないのは残念だ…、こんな近年まれに見る数百年ぶりの出来のGLGを一緒に落ちながら見つめる事も出来ないなんてね?」
『ははっ…ボジョレーヌーボーかよ……全く、自分で自信たっぷりによく言うよね……昔も今も変わらず』
「お褒めに預かり光栄です」
『褒めてねえんだけど??』

沈黙というよりも風の中に居る音を聞きながらに彼の言葉を待つ。
なんだか身体にその風を感じない、嵐の中の室内で待機してる気分にもなる。例えるならば、嵐の中で眠りにつこうとして、風が煩くて眠れないみたいなさあ……。

「ハルカ。これで最期まで僕と一緒だね」

優しい声色に、その声にあったあの柔らかい笑みを思い出した。

『……うん、最後の最期まで一緒。悟と一緒なら私、寂しくないよ』
「ふふっ…そうだねえ、僕も久しぶりにハルカを独り占め出来るんだ、寂しくないしむしろ嬉しい。なんなら、このまま堕ち切った後も一緒に居られたならってさえ思ってるよ…?」

無い心臓が昂ぶるような感覚。きっと、悟は私を抱きしめてるというのなら身体はこの辺かな、と腕を回す。見えないからどんな触り心地とかも分からないけれど、しっかりと離れないようにしていたかった。

「きっと、今の僕たちが消えたとしても、次の僕とハルカはまた同じように同じ時代に生まれて再会してさ…?それで、またハルカと恋に落ち合ったら良いなあ~…!
このままオマエと一緒に落ち続けていつかは僕とハルカはここから消えて……。
そしていつか、共に生まれ変わろうぜ!無意識でハルカを見つけ出したように、次も絶対に僕がオマエを見つけ出してやるからっ!」
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