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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第5章 "好き"が止まらない!


41.

「先生、みたらい大丈夫ですかね?」
「んー?なに恵、心配してくれてんの?」

僕は腕を組んで立ち校舎をグラウンド中央から見上げていた。とりあえずハルカが入ってから30分は経過していた。なれない任務…それをひとりで行かせた事に少しばかり後悔もした。せめて何もせずとも側に居る事だって良かったかもしれない。厳しすぎたか?とも思ったけど彼女は驚いて向かっていったし、度胸はあるみたいだ。

帳の降りた、夜の中の廃校。一階の昇降口に入ってから時々明るい呪力が見えた。うん…ハルカの術式が焼き祓っているのを感じるな。割と常識人のようで鍵を開けたり虱潰しをしているようだし、荒い所もあるけれどしっかりと祓っていけているみたいだ。
祓う事がしっかりと出来ているなら良いけれど、僕的には彼女に眠るイカれた部分をもっと大胆に引き出して貰いたい所。まだまだ伸びしろがあるのだというのに、あの子は閉じ込めるように何かを隠している。

グルルゥ、と言う唸り声。
式神を遊ばせるように近場の低級の呪いを祓った恵。
虎杖達も僕たちに近付いたら祓う、という感じで校舎を皆が見つめていた。そうやってハルカが出てくるのを待っている。
たったひとりで入っている仲間を皆心配してくれている。うん、仲良くなれているんだね。

「ま!ハルカひとり行かしちゃったの僕だしね、心配もするか!」
「そりゃあ心配もしますよ、呪霊を祓った経験ないんですし」

言わずとも分かる、皆からのお前が言うなやという視線に僕はてへ☆と笑うと野薔薇はため息を吐いていた。

「ダイジョブダイジョブ~、ああ見えてもしっかりとしてるよ!
実際に体験しないと分からない事もあるし、術師はいつだって人手不足……、個人で戦わないといけない事もあるからさ!」

廃校の暗い窓。その窓の奥が明るく見えた。
お、校舎左側に炎の様な明かりの揺らめきが見えるな…?順調にイケてるみたいだ。
怖いから術師を辞める、とはならなきゃ良いけど…と思ったけど意外とやってる。これも彼女の生きる為の理由かもしれない。春日の血族でありながら生を理由にする、末裔の生き様。
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