第5章 "好き"が止まらない!
『さっきみたいのとか治療等のサポートは出来るけれど、デメリットとして呪いをめっちゃ呼び寄せるよ』
「マジか」
「この際じゃんけんでいいだろ」
グラウンドに待機するのは悟と誰かだろうけれど、この場での作戦会議に誰も待ってるとも言わない。
そんな私達に悟が物申す。
「ちょっと、何言ってんの皆」
4人がじゃんけんをしようと拳を振り上げた時、悟が私達の中央へ入り込んで制止した。
そして私をビシッと指差した。嫌な予感がする……!
「僕や悠仁と恵と野薔薇はグラウンドにて待機かつ、あぶり出された呪いをテキトーに祓ってて。今回出来るだけハルカに行って貰います!」
…え?初耳なんだけれど。
私は自身を指差して悟に確認する、呪霊と対峙するのは初めてなのにちょっと自信がない。
『ロンリー!?』
「オンリーワン!ロンリーウルフね!討伐クエスト、メインターゲットとして呪霊一体の討伐ね!」
『ホワァイ!?』
本気のようだ。ええー…不安でしかない。いや、こういう不安とか恐怖とかそういう負の感情が呪いの元、呪力の元だからあっても良いけれど(人から回収したり、呪いから直にダメージを受ける私に意味があるのかは分からないけれど)
午後の廃校とはいえ、呪いをあぶり出す為の帳で夜。
……普通に怖いっての。
「もし強いやつがいてヤバそうな時は誰かしら加勢しに行くからさ!出来るだけひとりで行ってみてよ。というわけで僕らはここ、昇降口まではお見送りでーす。なんかあったら電話か直接グラウンドね」
『はあ……呪い以外の何かが居ませんように……』
ひとり肝試しみたいなもんじゃないか、と両手の平を拳に変えたら手汗をかいていた。
私は校舎のドアを開けようとする。ガゴ、と言っただけで開かない。
鍵、閉まっているな……?そりゃそうだよな。でも学校のドアって隙間結構ガバガバだよな、と上下の隙間を確認した。反転術式"怒髪天"を隙間から建物内側に流し込んで鍵を開ける。カシャン、という解錠の音でドアは開くようになった。
ドアを引いて開けた所で、背後でじっと待っていた悟が声を掛けた。
「廃校だから割っても良かったのに…キミはピッキング技術で開けていくんだ……」
『………行ってこよーっと』
そういえば廃校って言ってたわ。破壊しても良かったって事だったね。