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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第40章 悔いのない人生を


『私も悟が帰ってきたらちょっとしたサプライズあるから。長期任務終わったら寄り道せずにちゃっちゃと帰って来てよ~?』

ぽかん、といた表情で何か考えて笑顔を見せた彼。もしかしたらそのサプライズは既に彼の眼には見えている可能性もあるかもしれないけれどさ、私はね、言葉にして帰ってきた時に直接言いたいんだ……!

大きく頷いて「楽しみにして帰るよ!」とフォークに突き刺したトマトを空でぐるぐると回していた彼。無邪気な姿に私は悟の帰りが一層楽しみになっていた。


****


彼が帰って来るのはいつだろう?そろそろ、というのは悟の中では何日という単位なのかとそう考えて日々を過ごす私。高専に通う子供達、そして家の子供達と何回か言葉を交わして皆での旅行のプランをいくつか立てて、行きたい旅行先は三つにまで絞ってた。

そんな日々や今までの満ち足りた幸せが続けば良かったのにね。心が張り裂ける日が来るなんて思っていなくて、そんな急な別れについて、心の準備なんてしてるワケがないじゃない……。

──それは医務室からの硝子からの電話から始まった。

"落ち着いて聞いて欲しい。"
彼女のただその一言で不穏を感じ、反対に私は落ち着かなくなった。その時点で事務室で仕事モードだった意識はプツンと切れて、全神経を耳に集中するように……呼吸を忘れる程に。
心臓の音がばくばくと煩くて、もっと小さく動けと身体に言い聞かせたくなるくらいに硝子の次の言葉を待つ。

"──五条が死んだ"

まさかの言葉を聞いて時が止まったように感じた……。
なんで…どうして?そんな事がありえるわけ?
よりによって……なんでよりによって十二月の、七日なワケ…?

誕生日に帰れないと嘆いてた悟。でもクリスマスには帰れると思うと携帯越しに会話をしてたのに、その日付を跨いだ午前零時の通話から次の日を迎えてない。彼の誕生日の真っ最中なのに…?

五条悟は未だ最強の呪術師なのは変わらない事。絶対に、死んだとかそんなの…有り得ないじゃん。まだまだ若いのだし六眼を持ち、無限で攻撃だって受け付ける事しないでしょ?
でも、硝子が冗談を言うタイプじゃない事くらいいくらなんでも分かってる。それでもその彼女の言葉は私は信じたくなくて、か細い声で携帯の向こうに居る硝子に聞き返してた。

『あの、それは近くにいる悟に、硝子さんに、ジョークを言え…とか……』
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