第40章 悔いのない人生を
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僕にさー…長期出張を言い渡された時っていうのはまるで死刑宣告みたいに感じてさ……。
僕がハルカの側を離れ、子供達七人の世話も含め全てを彼女に任せるのはとっても心配だったの。
昔と違い、今じゃ健やかに育って大きくなった子供達!ひとりひとりが生まれたばかりの赤ちゃんだったって事もこの前みたいに感じる。初めての男の子と女の子はとっても記憶に強く残っててねー、あんなにちっちゃくてはいはいしてたのは十ウン年前なんて嘘だろ…って思っちゃうよね?
今じゃひよっこでも立派な呪術師ですよ、上層部の年寄りばっか見てると加齢にはウンザリするけどさ、こういう成長をずっと見守れる親という立場の加齢ってのはいいねえ~…!
ってなワケで高専に通う思い出深い息子と娘の二人。手を抜かずにしっかりと僕も稽古に付き合っているから、長男である蒼空にはハルカや娘達の護衛を任せられるまでにはなってるのが、僕が居ない間の救いのひとつかな……。
末の子含む娘達もいい加減、よちよち歩きは卒業してるし、ハルカの側で自分が何をすれば良いのか、自分達はどういう立場なのかを充分に理解してるし。ひとりでの行動はいけない事、そしてハルカを困らせない事!それらをしっかりと守ってるのだと離れた今も息子達の事を信じていたい。
ほぼ毎日の奥さんとの文字のやりとりや通話がこの五条悟のポツンとひとり旅の唯一の幸せ。
……あっ、もちろん旅先でのスイーツ巡りも欠かさないよ~?買い込んではダンボールに詰めて、家族に宛てて送ってさ。届いた頃にハルカから『悟が言ってた名物、来たよ。私も確かに美味しいと思ったけど小悟が特に美味しいって喜んでたな~』……だなんて、彼女や家族達の良い反応を貰ってさ!