第40章 悔いのない人生を
携帯に届く通知。画面を見てみればグループトークに伊地知からのメッセージが入ってる。
今、その噂の残業が終わったらしく、このまま向かいますと。丁度連絡もあった伏黒達を回収し三人で行くから先に始めてくださいって事だった。
そのメッセージを見終えて、ここに居る成人達のほとんどが携帯から顔を上げた。
始めて良いのか、とスイッチを切り替え無言で食事メニューを手に取る者、ドリンクメニューーを置き覗き込んでる者……。
私もビールを選び、隣の坊やに晩ごはんを選ばせている間に、携帯に悟とのやりとりの画面を表示させる。
長期任務でお互いが離れていたって通話はするし、こまめにメッセージのやり取りはしてる。今から飲み会って人に中間報告するのはどうかと思うんですが?と早速悟に送信すれば、すぐに既読が付いてシュポ、と音を立てて彼からの返事が私のメッセージの下に付いた。
"だって楽しそうなんだもん。僕なんてぼっちよ?ひとりぼっちは悲しいよな~……そっちはみんなでワイワイ飲めや歌えや宴会してんでしょ?エンターテイナー五条悟居なくて盛り上がりに欠けるんじゃない?"
……逆にこの方が盛り上がったりするんだよなあ、とは彼に口が裂けても伝えちゃならん事。エンターテイナー五条悟については触れないとして。
拗ねたメッセージに『後で私が付き合ってあげるから』と返すと今開催されてる飲み会と同じ店である事を要求してる。
悟を構うのは程々にして、私は目の前にどん!と置かれた最高に冷えた燃料で一杯やりたいんだけどな…?
そろそろ飲み会に集中します!とすぐに返信の来る彼に返せば、シュポ!と音が鳴りそう言えば、と一度区切ったメッセージ。
"ハルカから貰った新しいお守り、使っちゃったから帰ったら解呪しといて!"
解呪、か…。ミサンガの事だよね?
そのメッセージを見てぼーっと考え事をして。