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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第40章 悔いのない人生を


絡み酒風に『あんだって!?』と聞き返す私をスルーし、息子が指差す方向には指定された飲み屋の看板が見えてる。居酒屋ではきっと硝子達も先に着いて待ってるだろうね~…。

私の行動を熟知してるんでしょ。ダッ!と駆け出そうとした瞬間に片腕を掴まれ「急に駆けない」と落ち着いた声で強制的に徒歩で向かう事となった。ちぇっ…!急ダッシュからののれんを片手で捲って、大将、やってる~?したかったのになー、なんでここまで真面目ちゃんになっちゃったんだろ?……悟に似るよりはマシだけどさ!

その見えていた居酒屋の出入口前に来た。人が触れる部分は汚れている、元は紺色だっただろう今じゃ色落ちした暖簾。私より先に隣の蒼空が片手で顔や頭に触れないように退かし、その下を潜りながら『ありがと』と私が引き戸を開ける。

ガラガラ…、と開ければ店内には美味しそうな肉料理の匂いが漂っていて、賑やかな笑い声や少しボリュームの上げがちな会話が聴こえてきた。皆さん、ガソリンが入って景気よくエンジンを回してらっしゃるようで……。

席は大人数だし…と、自然と視線は賑やかな会話の聞こえる方へ。
お座敷の方には昔ながらの飲み会メンバーの硝子や七海はもちろん、野薔薇や虎杖と時間前に集まってる。別に忘年会とかそういう集まりじゃないけどさ、飲みに行きたい、と言えばこう集まってくれる人が居るのは嬉しいもので。
以前は毎回参加したかった飲み会も、妊娠もなく授乳もない今じゃ旦那が居なくても成長した息子のおかげでこう参加しやすくなったって事!

てなワケで。片手を挙げながら私も座敷へと向かう。背後には息子。

『お疲れサマンサー!』
「うわ、感染してんじゃないわよ!」
『あら、野薔薇もう出来上がってる?』
「ん?ちゃんと待てが出来るので私は飲んでないわよ?硝子さんは既に飲んでるけど」

座敷席を見ればお通しや水のグラス、中央に多分虎杖が頼んだであろう山盛りのポテトが並んでる中で、硝子の前には中身が半分近くまで減った厳ついジョッキ。
私の視線に気が付いた硝子は私と同じく片手を挙げていた。
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