第40章 悔いのない人生を
流石にお互い四十にもなれば、昔のようにとどまることを知らない性欲も年相応に落ち着いてはくるもの。それでもきっと、同年代の平均以上に私達は身体は重ねている。
昨日みたいにえっちをしない時は変わらずくっついてお互いの存在に落ち着きながら眠るんだけど、たまにえっちをする時は先のことを考え、流石に年齢も考えて避妊をしてさ……。
悟はソファーに座ったままにこ、と微笑んだ。
「シャワーついでえっろいの着てきてよ。僕はここで待ってるから」
歯を見せて笑いサムズアップした悟。ここで私からもやだ、なんて断ったらじゃあ出張行かないもんねー!って返される未来が見えるし。気乗りはしないけど、しばらく会えないのなら出来るうちにしておかないとひとり寂しくもなる……、私だって寂しいって思うもの。なら出張に行ってしまう前の悟と体を重ねておこうかしら?
仕方ねえな……と、座ったばかりのソファーから腰を上げて、すぐ戻ると手をひらひらと振りながら私はまず、着替えを取りに寝室へ。そしてシャワーを浴びに浴室へと向かった。
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シャワーを浴びてから着替えを済ませてリビングルームへ。
あのふわふわとした白ポメヘッドを探してもソファーに居ない。なんだ、トイレか?と思ったら別室のドアがガチャ、と音を立てて開いた。
そこには上下黒のいつもの仕事着ではなくて、わざわざ着替えた私服の彼がそこにいて。なんかダンサブルな動きとハミングでノリノリになってる……。
「フーフーフフフフッフッフーン♪」
……うん。キレのあるステップでドアから入ってきて踊ってるんですけど。少し前まで超ご機嫌斜めだったのにね?
リビングで待ってろ、と行ったけどやる場所は寝室か?と彼の動きが落ち着くのをとりあえず待つ。口を尖らせ、ノンアルコールの酔っぱらいの動向を白けた視線を私から彼へと送りつつ。
『……寝室でするのなら寝室行くけど?』
「~~♪いや、リビングがいい!すぐ始めるからちょっーと儀式待ってくれる?」
『儀式……』