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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第40章 悔いのない人生を


"そう簡単に死ぬワケではない。この一族の始まりであったとはいえ、私はさほど強い力を持っていなかった……禪院の血を引こうとも、春日の始まりとしても。私が扱えるのは、春日家の特徴たる治癒と十種影法術の玉犬だけだ。

生前の私を支えてくれる呪術師などおらず、せっかくの術式もただ持て余していた程度であったが……古い常識も移り変わった、新しい世代ならばきっと上手く扱えるだろう"

大きな力になる前だったなら、式髪の白髪化も抑えられるかなあ…。初代と末代のふたりの鎹から悟を見れば少し考えた後に彼は納得したのか、彼は小さく頷いていた。

「──分かった。きっと今のハルカ以上にこの子が侵食される事は無さそうだ……、うちの子の意思もこの歳にしてはしっかりとしてるし……ちょっとおつむはアレだけど。
鎹、オマエも本当に良いんだね?」

悟が最終確認するように娘に問いかければ、大きく頷く鎹。

「うん。強くなれるんでしょ?お姉ちゃんとかお兄ちゃんより私が強くなるんだもんねっ!」
「ワォ!いいねえ…!ゴリラの娘はゴリラかあ~」
『あ?誰がゴリラだって?』
「ナンデモナイヨー」

……自分の意思はあってもまだまだ幼い思考みたいで、メリットを取ってる鎹。もちろんデメリットについても説明は何度かしてはいたけど。
悟は呆れたように「ほんと、誰かさんにそっくりだあ……」と聴こえるように愚痴を零して、ふたりの鎹から数歩下がる悟。それを合図というように、初代は娘に譲渡を開始した。

直後はそりゃあ、髪色からは判断出来ないけれど。
役割、死後からの領域への縛りの解けた彼女はぐずぐずとその場で崩れて腰ほどの高さの枯れた低木がその場に早送りのように生えて。
一時的にこの場を収めるのは私の母、という遺言もあり私の母に何か変化があるかと思えば特に変化は無く、私の母は自身をパタパタと確認するように叩き、変化が無いのでとりあえずピースをしてみせていた。
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