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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第39章 七つの鎹


自身を抱き、悟から一歩引いた位置で彼を見上げれば、あれ?さっきより肌ツヤ良くなってない?
一部顔を手で覆い隠す子達も居る中で、小春はぼそ、と夕陽に耳打ちしていた。

「ママとパパ、えっちなちゅうしてる……また赤ちゃん出来ちゃうんじゃない?」
「次も妹だといいねー」
「んー?オマエ達また兄弟欲しいの?パパ、頑張っちゃおうかなっ!」
『こら、そこ!』

ほら、こういう微妙な空気になったじゃんか!誰だこういう空気作りした野郎はよぉ~……、とキッ!と悟(ノリノリ)を睨めば玄関で子供が見ているという事もあり靴をきっちり揃え、キテレツのはじめてのチュウをハミングしてる……。
これだからよぉ……はあ、とため息を吐きながら、さっきので変な汗をかいて暑い前髪をかきあげて…。

はしゃいでいた子供達を静まらせた大人のキスで微妙になった空気を変えたのは、本来の話題に戻す本日の主役。

「ところでみんなしてお迎えに来てくれて今日は一体どうしたのかな~?」

気まずいという表情からの皆がアイコンタクトを交わし、即座にきらきらとした瞳に戻った七人で一斉に悟を見上げてる。中にはタタンタタンと小さく跳ねてる子も居るね…。

「パパ、お腹すいたでしょ!ご飯だよご飯!」
「わたしもお腹空いてるの、だからね、すぐご飯食べるでしょっ」

あちこちから手や服を引っ張られて、子犬に引っ張られてる親犬の図を想像しながらに、小さな鎹の手を引いて私も悟の背を押した。
押されるまま、引っ張られるままにとろけるような笑顔で「押さないで押さないで~」と満更でもない悟がダイニングにと進むと彼はその場で立ち止まった。

きっと、机いっぱいのご馳走と部屋の飾りが子供達からの盛大なプレゼントだとひと目で充分に理解してるから。

"お誕生日、おめでとう!"と声を合わせて悟を祝えば、掴まれてた手をそっとあげて口元を静かに覆い隠す彼。
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