第39章 七つの鎹
夜、隠そうにももちろんバレてて、ベッドでこっそりと『そういう事だから知らないフリを貫いてね』と彼の耳元で念を押しておいた。
その返事としてのとても元気なサムズアップ…からの「この呪術界の俳優、五条悟君の演技力を舐めないで欲しいなっ」の言葉がなんとも不安にしかならない。
さて、これからどんな大根芝居を帰って早々に見せつけられるんだろー……わー楽しみだー。
……だから全ての準備が終わったら私からこっそりと悟に連絡を入れるって事をまだピュアなこの子らは多分知らない。
携帯を見て、"まだ?"という寒空の下で待ってるだろう悟の連絡。流石に家の前だとまだ子供であっても悟の血を受け継いでるからね…、呪力で感知される、と特に蒼空に警戒して、携帯片手にコンビニ辺りでうろうろしてると思うんだけど。
家に帰るに帰れない彼を想いながら携帯をしまって、準備が出来た皆を見回す。全員、計画は順調だと確信を持った、自信満々の笑顔。うんうん、素直に育ったよねえ……と、その眩しい笑顔からシンクへ視線を向けたなら悲しい現実がそこに積み重ねられて、ごちゃあ…としてる。
──あれプラスこの料理を食べ終わった後の皿を片付けるのは大変そうだな…、ここは悟を呼ぶ前に片付けもしとくか。
片手を出し、クシャナ殿下ばりに指示と出す、この計画の監督である私。
『よし!ではパパが帰って来るまでに皆で調理器具の片付けを進める!』
「「「「えー!」」」」
想像していた通りブーイングを聞き、私は両手で抑えて、とブーイングを一度止めて…。
『えー、じゃないでしょ。いっぱい洗い物増やすと楽しい時間も無くなっちゃうよ?片付けながら~…は本日も有効ですぅ~!
そら、洗い物するから濯ぐ人と拭く人!それから鎹がやんちゃしないように見てる人って分担!いいね!?』