第39章 七つの鎹
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鎹がまだお腹に芽生えたばかりの頃に、流石にマンションで七人の成長を見ていられない!と部屋の少なさに限界を感じ、生まれた次の年には家を建てて……。
二年が経過してもまだまだ新築らしく木の良い匂いが残る新しい環境の中、子供達七人と私で悟が任務で居ない間にせっせと皆で揃って悪巧みをしていた。
時刻は午後六時、ぶっちゃけ悪巧みをするに時間は遅すぎる方。でもこっちは七人もの子らを面倒を見ながらだもん、順調には進まず計画よりもかなり予定は遅れてる。
私の血、悟の血。それぞれを引いての家族と言っても個性があって、兄弟も多けりゃなにかを任せてもやんちゃ盛りだから目を離せばきゃっきゃと遊ぶし、大きくなっていけばたまに親の言うことを利かずに反抗だってする。何回も注意して、何回も料理の仕方をしてもう少しで完成という所までとある準備は進められていた。
後半になって皆がしっかり行動をするのは何か。
考えた結果、チームワークのあるものを頭に思い浮かべて実行したら、それ以降悪ノリしながらも皆キビキビと動くようになってくれる。そういう所は私や悟に似なくて良いんですが、今はその悪ノリ部分が大変有り難いです。
キッチンでひとり子供達を前に腕を組み私はすう、と息を吸い込んだ。
『ケーキ部隊!準備はいいか!?』
「「サーイエッサー!」」
『…よし!では飾り部隊!首尾はどうなってる!?』
「「出来てるよー!」」
「卵焼きおっけー」
『現場監督!……は、その口元のクリームをなんとかして貰いまして…』
三歳児にはまだ悪ノリにノれる知識もないし、重要な事を任せられない。だから私と子供達(兄や姉)にちょっとした物を配達させて、皆で作った料理をお腹いっぱいにならない程度に味見させるくらいしか動かせないんだけど。
にこ、と笑う様子を見て飽きてない事を確認してさ。
せっせと準備を進めてきたのは今日が十二月の某日……、そう、悟の誕生日だから!
まあ、お調子者の彼が自身の誕生日を忘れるなんて事は絶対にないっしょ。そわそわして、こっちの計画を察してるわ、口元を隠してきょろきょろしながら隠してるつもり?と笑ってるわ冷蔵庫の棚を隠すようにしてる所にチビ達がケーキの材料を冷やして居たのも、冷蔵庫前に立った瞬間に「パパは冷蔵庫、一生禁止!」……と、分かりやすい防衛体制にわざと悲しんだりさ…?