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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第39章 七つの鎹


今回は産気付いてから割と早めに生まれた子供。
僕らの間に生まれる子には特徴があり、どうしても白髪であるのは遺伝するみたいだ……それは男だろうが、女だろうが性別に関係は無くね…?

ハルカは、生まれたてで人生初めての食事を行う新しい家族を抱いたまま、疲れた顔で笑ってる。内心ホッとしてるんだ…、元気な子供を産めたもんね。
彼女の側で白髪ばかりが集まるベッドを見回して僕は思わず苦笑いをしちゃった。
まあ…、僕は愛妻家だしこの先も浮気なんてしないだろうけどさ。遺伝ってすごいねえ~……誰が見ても五条一家だ、これ!

「……で、生まれたら教えてくれるっていう、娘の名前は?なんて名前を考えているの?」

ぷくぷくの健康体で瞼を瞑って顎を動かし、ちゅくちゅくと母親の母乳を吸ってる娘。その母乳の味はパパも認める極上だからね~…たんとお飲み?
その柔らかい頬に指先で触れて壊れてしまいそうな柔らかさと暖かさを感じながら、ハルカを見た。

彼女は領域内で女の子だと知ると、以降名付けの会議を初めてした時に『どうしても今回は私に付けさせて』と譲らなかった。
決まってるのか、と何度聞いてもちゃんとこの子を産むことが出来たなら、と言い続け、今回目出度く誕生したって事で。
ハルカは子供に向ける慈愛の瞳を僕へと上げて微笑む。

『では、この子の名前を発表します』

「なあーに?」

わくわくとした夕陽の表情は、お寿司行くよ!と言った時のハルカみたいにきらきらと瞳が輝いてる。僕も一緒になって「なーに?」とハルカに期待すれば、彼女はゆっくりと唇を開いた。その瞬間の視線はきっと誰とも合わさっちゃいなかった。

『……かすがい』

「──オマエ、それは……、」

聞き慣れない言葉に子供たちがきょとん、とする中で僕の頭には領域内のとある目立った女の姿を思い出していた。
死後の女達の集まる場所。昼と夜の曖昧な時間帯でずっと時は止められて、死の先の無い春日一族の魂の世界……。そこの世界を統べる女の名前とおんなじだ…。
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