第39章 七つの鎹
痛めつけられる姿を見たせいか、気が晴れて少しばかりご機嫌な彼は離れていた位置からこちらへと近付き、私の肩に手を置いて少し後ろへと下げさせる。男ふたりに流し込むために触れてた手は自然と離れ、悟を見れば彼は微笑んでひとつ頷いていた。
「じゃ、ここは僕が聞いとくね。延命措置や女王様タイム入る時はオマエを呼ぶから、そこ少し離れた位置で待機しててよ」
『だからSMクラブじゃ……、もういい、悟の仕事のターンね、ハイハイ…』
もー、いくら言ってもSMに変換するのは止められないな、と諦めた。何年も一緒にいればそれが一番の対応だって学んだから。
ここから先は悟が尋問をする。もしも対象の男二人が気絶すれば叩き起こし、血が足りずにふらつけば治癒で足りない分を補充してやるサポートに私は回る事になる。
痛ぇよ……とすすり泣きながら俯く男を前に、背を見せた悟は肩を揺らして笑ってた。
拉致しようとしてたやつらのこの様子を楽しんでるのかな、と思えばそうじゃないみたい。
「ククッ…こうなっちゃうくらいに夜もハードだとすっげえ興奮するんだけどな~?」
『おい』
そういうスパイス追加したら六人目出来んだろ、と言葉を込めて無言で睨めばその背中は既に仕事モード。
椅子に座る男の俯く頭。髪を掴み、顔を無理矢理に上げさせて悟は尋問を始めていった。