第39章 七つの鎹
二人の内一人がこれ以上の痛みを堪えられないと頭をブンブンと髪を振り乱しながら騒ぎ、降参という態度なのに対して、もう一人の男はその男を止めようとしてる。痛いと声に出さないように堪えてるみたいでこっちはまだまだ堪えられるみたい。
尋問前に痛めつけるという下準備を待つ悟は、片手にこの男達の情報や聞き出す質問等の書かれた紙を持ち、腕を組みながらにこにこと笑顔を浮かべて待ってる。特に止めることも継続しろとも指示もないし、このまま私の意思を尊重してるんだな……と私は判断してさ。
ひとり私はうんうんと頷き、じゃあ堪えられるんなら…ともう一方の情報を吐くのを必死に止めようとしてる方に、その片足と手の全ての指の無い男へと宣言通りの痛みと負傷を流し込めば、その服に隠されていない素肌にボコボコと穴が空き、そこから吹き出す血液。流石にこの痛みには声を出さずには居られなかったみたい。
「うぐっあ…っあああ~~~っ!」
『まだ堪えられそ?……次は何しよっか?ケツに器具入れた拷問?それとも正座した脛に材木の角の痛みを受ける石抱責?男ふたりだしね、ここはタマタマを器具で潰す痛みにしちゃう?それとも……──』
何年か前にいくつかの拷問器具を使った拷問を覚えた甲斐があるな~…、といくつか提案していく中で実際にアイアン・メイデンの細い針での串刺しを全身で味わった男は数分前の発言を撤回するために泣いて叫んだ。
「言う!俺もこいつと同じく言うからあっ!」
噎せてゲホゲホと咳き込む穴だらけの傷の男。
血と汗を垂れ流して二人共意見が一致したな、とそこで悟を振り返れば変わらずの笑顔で、組んでいた腕を解き私にサムズアップをしてる。
「イイネ!その激しさは罪人には蜜の味なんじゃなーい?」
『さっきからご褒美とかさあ~……ここはSMクラブじゃねえんだぞ?』