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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第39章 七つの鎹


383.

暑い夏の日の、マンションの子供部屋にて。
私はまぶたを伏せ膨らんでは下がる胸元を眺めていた。落ち着いて眠る双子の側でそのお人形さんみたいな寝顔を携帯で収めて。シャッター音で起きないか、少しはらはらしながらも変わらない寝顔を数秒眺め、起きない事を確認してからそっと子供の側を足音を消して離れて……。

今日は全員部屋に揃ってる。天気の良い初夏、本当ならば家族全員揃ってこのまま外に、だとかお弁当作ってピクニック!って出かけたかった所だけれど、一日休みになるなんて近年少なくなってしまった悟にとっての貴重な一日。彼も疲れていそうだし冷房も効いてるからと一番暑い時間帯はマンションの部屋のどこかでのんびり過ごして居るはずなんだけど……。

さっき眠ったばかりの双子の、お姉ちゃんになった娘がとことこと眠る弟と妹達の元に来た。目が合った瞬間のその笑顔に私はそっと口元に指を当てて"静かに"と教えるとにこにこと笑いながら真似して「しー」と口に出して言って、小悟と小春の元へ寄ると静かに観察してる小さな背中。

『ママ、パパんとこ見てくるから起こさないようにね?』

小さくそう言えばこくん、と頷く白銀の頭。聞き分けの良い子だからここは悪戯しないだろうし、というか我が家で一番の聞き分けの悪い子は一体何やってんだろうね?と悟を思い浮かべる。
騒がしい彼がやけに静かなんだよなー…のんびり過ごしてるというにはあまりにも鼓膜が振動しなさ過ぎてそこが逆に心配なんだよね。音を立てないように……と離れて部屋を移動し、二メートル近くの長身を探し回れば三部屋ある子供部屋のひとつ、蒼空と夕陽の部屋のカーペットの上で探していたその人は転がってた。

横になってる悟の側には蒼空が父親側に顔を向け、お互いに向き合った状態ですやすやと寝ている……。頭の周りにはトランプが散らばっていて遊んでる中でお昼寝に入ったんだろうけど。

『悟とジュニアって感じだなあ……、』

髪色もそうだし顔付きもほぼ悟。寝顔も一緒。カシャ、と記念に一枚撮って気が付いたんだけど片手を悟は自身の服に突っ込み掛けて寝てる。だから悟の腹が出てるんだよねー……。
そして蒼空は同じ事をしていないものの全自動でぽてっとしたお腹を出しておられる…。

『ふふふ…っ、そっくりな格好!腹をしまえ腹を』
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