第39章 七つの鎹
『……ちゃんと出なさい?任務かあんたがまたなんかやらかした事についてでしょ…どうせ』
「なに、キミ僕がいつもやらかすと思ってんの?酷くない?僕だって三人…いや、今じゃ五人か。五人の父親にオマエの旦那さんよ?いつまでもマイペースにしてらんないでしょー?」
『いつまでもマイペースやろがい』
頬を膨らませ、震える携帯をチラつかせて屁理屈ブーブー言う彼に『つべこべ言わず電話にさっさと出ろや』と言えば、真顔になった後にため息を吐いてベッドから離れて。
重そうな足取りで個室のドアへと電話をしに向かいながら、悟は振り返って笑った。
「多分上層部関連だから何を押し付けられるか分からない。もしもこのタイミングで遠出する事になったら、いつもみたいに子供たちを一緒に面倒見てくれる人、派遣してもらっても良いからね?絶対オマエ一人で問題を抱えちゃ駄目だぞ~?」
『ん、気遣いありがとー……任務、頑張って』
にこ、と笑った悟は「小悟と小春を元気に産んでくれてありがと、お疲れ様」と優しい声色でそう言って、名残惜しそうな重い足取りでドアから静かに出ていった。