第39章 七つの鎹
「四人目と五人目え~……?おいおいマジか、畜生腹やん!真希ちゃん真依ちゃんと同じ道辿るんか?
五条家にもついに落ちこぼれが生まれるんやなあ、わ~…大変やね、悟君!」
あはは、とひとりだけウケて笑ってるのを皆が見てる。
我関せず、と終始黙って居る者、口をはさむにも今は堪えている姉妹、またこういう話が…と面倒くさそうな者、そもそも興味ないって顔で会議の再開でも待っていそうな者……。
双子っていうのは非術師ではそんなにマイナス的な考えはないけれど(お金が掛かるとかあるけどさ)呪術師の界隈での双子ってのはデメリットがある。古くから双子ってのはふたりでひとつ、という考えであり、双子で強い呪術師なんて今まで聞かない。
真希は呪力は無くとも天与呪縛でめちゃくちゃ強いけれどさあ…それは次元がひとつ違うし。真依は呪力があっても真希のような天与呪縛があるってわけでもない。双子だから呪術師として平等ってものじゃない。
以前みたいに馬鹿にするように笑う直哉に私がむっとした時、口を挟んだのは悟だった。
「双子っても一人は女の子だよ、春日家の領域内で聞いたから女系の血で発現する呪術師達が言い切ってるんだからそれは確かだ。そうなればもうひとりの子は男…そこまでこの状態で分かってる」
楽しげな表情の直哉から表情が消える。そこに追加する微笑する悟の言葉。
「女の子は自然と春日家の術式が付与されるし、ほぼ確実に呪術師だね。男の子なら五条家の術式が引き継がれるねえ~……まあ、うん。双子だからね、最強ってほどにはならないけれど……。
突然変異はともかく、術式が交わるニューテクって事は無いだろうけど。うちの子達、性別で引き継ぐ術式が違うみたいね~?」
「……悟、そいつは確かな事なのか?」
直毘人が訝しげに悟に聞くも、その性別については血を良く知る先祖たちだもん、確実。
悟は指をパチン!と鳴らしてややふざけながら「間違いない!」とウインクをして、伏黒だとか加茂だとかがしらー…とした目で悟を見てる。言わずとも分かるよ、ウン。まーたやってるよ…って目だわ。
ただ難しい顔をしてる人も数人居て、きっと良くない悪知恵を働かせてるんだろうなと思う。